2012 Fiscal Year Annual Research Report
リゾチームをモデルタンパク質としたアミロイド線維形成機構と細胞毒性発現の解析
Project/Area Number |
22580336
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
杉元 康志 鹿児島大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10100736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松元 光春 鹿児島大学, 獣医学部, 教授 (30157383)
日下部 宜宏 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30253595)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | リゾチーム / アミロイド線維 / 線維形成コア領域 / 線維形成のメカニズム / 細胞毒性 / ネクローシス |
Research Abstract |
重篤な神経疾患を引き起こすアミロイド病は高齢者、遺伝的要因や環境などに起こり、人類にとって大きな社会問題である。この原因としてアミロイド線維と言われる変性したタンパク質の細胞内外での蓄積により発症することが知られ、線維形成・蓄積の機構と毒性の発現の解析、治療薬や予防法の開発が進められている。溶菌酵素リゾチームもアミロイド線維を形成することが知られ、ヒトでは遺伝的変異により、タンパク質の正しいフォールディングが損なわれ、それが線維を形成し全身に蓄積する全身性アミロイドーシスがあり、重篤な疾患になる。リゾチームのアミロイド線維形成にはタンパク質分子内部にある芳香族アミノ酸を含むコア領域が凝集の核となり、最終的に線維となると予想される。本研究は線維形成のメカニズムを解析すると共に線維の細胞毒性について追究した。 特定した9個のアミノ酸からなるコアペプチドはそれ自体で線維を形成した。アミノ酸の置換実験でトリではトリプトファン、ヒトではチロシンを別のアミノ酸に置換することで線維形成が阻害されることから本アミノ酸が線維形成に必須であると結論した。コアペプチドは疎水性、親水性の繰り返し構造からなっており、疎水性アミノ酸のスタッキングした線維構造であることが予想された。ヒトの4種類の疾患性リゾチーム変異体はこのコア領域を囲む周辺のアミノ酸置換により発症することから、分子内部にある本領域は変異体は不安定な構造的となっており、コア領域の分子表面への移行により凝集・線維形成が起こりやすくなっていると予想された。 リゾチーム線維の細胞毒性については、細胞外からの線維添加においては細胞増殖抑制、ネクローシスと思われる細胞死が顕著に見られ、強い毒性を示した。また、細胞内で変異体リゾチームを強制発現した場合、細胞内、特に小胞体に不溶化成分として蓄積し、細胞への強いストレスを与えていることが観察された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)