2012 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病改善をめざした非炎症性マクロファージの誘導と小腸における糖吸収機構への関与
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22580337
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
森本 素子 宮城大学, 食産業学部, 教授 (30250301)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 2型糖尿病 / 線虫 / 2型免疫応答 / インスリン抵抗性 / 糖輸送担体 / 非炎症性マクロファージ |
Research Abstract |
消化管寄生線虫Heligmosomoides polygyrus (Hp)の感染により、2型糖尿病モデルマウスKK-Ay/TaJclにおいて血糖値の低下、脂肪肝の改善傾向が見られ、小腸における糖輸送担体の発現低下および粘膜下における非炎症性マクロファージ(Alternatively Activated Macrophages:AAMacs)の集積を確認した。続いて、Hpと感染様式が異なる消化管寄生線虫であるNippostrongylus brasiliensis(Nb)を用いて同様の解析を行った。Nbは宿主に強力な2型免疫応答を誘導するが、Hpとは異なり、小腸粘膜下には侵入しないため、宿主に対する侵襲性が低いという利点が考えられた。しかし、Nb感染により血糖値の低下や血中コレステロールの減少は認められたが、糖輸送担体の発現は変化しなかった。また、2型サイトカインによって分化が誘導されるAAMacsのマーカーであるARG-1も小腸において増加が認められなかった。したがって、粘膜下に侵入しないNbではAAMacsの誘導が十分に起こらず、炎症改善や糖輸送担体の発現抑制には至らない可能性が示唆された。しかし、Hp感染群では、血糖値低下だけでなく、グルコース負荷試験の結果、インスリン抵抗性の改善が確認された。また、脂肪組織における脂肪細胞の縮小、TNF-αの減少が認められた。すなわち、Hp感染下では強力な2型免疫応答が起こって炎症性サイトカインが抑制されること、および小腸粘膜下への非炎症性マクロファージ誘導により糖輸送担体が減少し、小腸からの糖吸収が抑制されることが示唆された。以上の結果から、Hp感染によって2型サイトカインを増大させ、非炎症性マクロファージを誘導することは糖尿病病態改善に有効であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)