2010 Fiscal Year Annual Research Report
ネオスポラ症における垂直感染メカニズムの蛍光発色原虫等を用いた網羅的解析
Project/Area Number |
22580342
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
池 和憲 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (50159597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 壮一 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (90120758)
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Keywords | Neospora caninum / ネオスポラ症 / 垂直感染 / 蛍光発色原虫 / ワクチン |
Research Abstract |
ネオスポラ症は、細胞内寄生原虫Neospora caninumの感染に起因する届出伝染病で、本症で問題となるのは終宿主の犬科動物と中間宿主の牛である。発症を起因する原虫ステージは中間宿主上のタキゾイトとブラディゾイトで、その伝播様式は垂直感染が主体となるが、本症に対する治療法および予防法は未確立のままである。本研究の目的は、本症予防ワクチンの開発を念頭に、タキゾイトーブラディゾイトのステージ特異的蛍光発色原虫を作製し、本症における水平感染後ならびに垂直感染時での原虫のステージ変換の動向ならびに誘因を特定し、妊娠時における対原虫免疫への基礎的知見の取得と、予防ワクチンの方向性の決定を行うことである。 平成22年度には以下の研究を行った。(1)蛍光発色原虫の作製:N.caninum由来DHFR遺伝子によるピリメタミンを薬剤選択用マーカーとして、タキゾイトステージには緑色蛍光蛋白GFP遺伝子を、ブラディゾイトステージには赤色蛍光蛋白tdTomato遺伝子を用いてステージ特異的発色プラスミドを構築した。さらに本プラスミドをN.caninum Nc-1株に遺伝子導入しステージ特異的蛍光発色原虫の作出に成功した。 (2)蛍光発色原虫のin vitroとin vivoでの検証:二重蛍光発色プラスミド導入原虫のタキゾイトをVero細胞に感染させ、培養液中にSNPを加えることでブラディゾイトへと分化誘導させた。SNP添加前の原虫は細胞の細胞質に緑色蛍光を発色して観察され、SNP添加後には赤色蛍光を発色する原虫の割合が増加し、SNPによるステージ変換がin vitroで確認された。次に本原虫タキゾイトをマウスの腹腔内に接種し、3週後に脳内の原虫を蛍光顕微鏡にて観察を行った。その結果、脳内には赤色発光するブラディゾイトのみが観察され、in vivo"においても原虫のステージ変換を確認することができた。
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Research Products
(3 results)