2012 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠調節における神経・免疫系の役割に関する時間生物学的研究
Project/Area Number |
22580348
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桑原 正貴 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (30205273)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 睡眠 / 自律神経系 / 免疫 / 加齢 / 日内変動 |
Research Abstract |
本研究では、睡眠覚醒調節機構の解明に向けて神経・免疫系が果たす役割に関してその機構を明らかにすることを目的として実験を行った。正常マウス・ラットと老齢マウス・ラットを使用して脳波を記録解析し睡眠への影響を検討するとともに、心電図の長時間記録を行い、これまでに確立し様々な研究に応用してきた心拍変動のパワースペクトル解析を行った。加齢が進むにつれて覚醒時間やレム睡眠時間の減少とノンレム睡眠時間の増加、および睡眠の分断化等の生じていることが明らかになった。このことは、加齢により睡眠覚醒調節機構に何らかの変化が生じていることを示唆するものであり、心拍変動のパワースペクトル解析において副交感神経系機能の指標となる高周波数成分(HF)と自律神経系バランスの指標であるLF/HF比の変化から、睡眠覚醒状態や体温変化に対する自律神経系機能の変化に密接な関連性のあることが明らかとなった。さらに、若齢動物ではでは、明瞭な体温と活動量の日内変動が認められその振幅も大きいのに対して、老齢動物においてはその傾向が弱くなってきておりその変化量も小さいことが明らかとなった。また、このような傾向は老化促進マウスであるSAMP8とその対照であるSAMR1においても認められた。このように、脳波を含めた生体現象を解析することにより加齢が睡眠の質や体温・活動のリズムに影響を及ぼすことが明確に示された、その要因として自律神経系機能や免疫系にとって重要なサイトカイン産生の変化が関与しているものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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