2011 Fiscal Year Annual Research Report
犬と猫の腎疾患におけるCOXとRA系を介した新規病態解明と診断治療法開発
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22580364
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
矢吹 映 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (10315400)
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Keywords | 犬 / 猫 / 腎疾患 / 腎病理 / NOS / レクチン / COX阻害剤 / 片側尿管結紮モデルマウス |
Research Abstract |
平成23年度は以下の研究成果を得た。 1.病理組織学的解析:腎生検により得られたイヌ4頭、猫1頭の腎臓を解析した。その結果、イヌでは膜性腎症と膜性増殖性糸球体腎炎が各々2例ずつであり、猫の1例は腎アミロイド症であった。特に、猫の腎アミロイド症はアミロイドが糸球体ではなく、間質に沈着するまれなタイプであった。 2.分子病理学的解析:TGF-β、PAI-IおよびACEの発現を解析するための基礎実験を行った。使用可能な抗体のリストアップが難航したが、アンジオテンシン変換酵素(ACE)においてはイヌとネコの両方で使用可能な抗体を見出し、免疫染色による検出方も確立した。 3.レクチンを用いた解析:平成22年度の検索ではRCA-Iレクチンが糸球体毛細血管にheterogeneousな染色性を示すことを明らかになったため、本年度はこのRCA-Iレクチンが犬と猫の腎疾患における組織化学的機能マーカーになり得るのか検討を行った。その結果、犬では,様々な程度で糸球体毛細血管内皮にRCA-I陽性反応が観察され、その反応強度には尿細管円柱との関連が認められた。一方,猫では,糸球体毛細血管にRCA-I陽性反応は認められなかった。以上の結果から,犬の腎疾患においてRCA-Iが糸球体毛細血管の透過性亢進を反映する組織化学的マーカーになり得ると考えられた。 4.実験動物を用いた解析:片側尿管結紮モデルマウスを作製し、アスピリン、ピロキシカムおよびメロキシカム投与の影響を検索した。その結果、いずれの薬剤の投与も対照群に比べて腎病変を悪化させることはなかった。一方で、組織学的には明らかな改善も認められなかった。今後、更に詳細なメカニズムを解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、1)犬と猫の臨床例から得られた腎臓組織の病理学的および分子病理学的解析、2)実験動物を用いた解析の2通りの研究を予定していた。これまでのところ、その双方から比較的順調に研究成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床例の腎生検あるいは病理解剖により得られた腎臓の病理組織学的検索を継続して行う。分子病理学的解析は、平成23年度の基礎実験により犬と猫での解析が可能と考えられたアンジオテンシン変換酵素(ACE)に関する検索を行う。実験動物を用いた検索では、COX阻害薬が腎臓のレニン・アンジオテンシン系に及ぼす影響を検索する。次年度は本研究計画の最終年度であり、本研究で得ちれた結果を総括する。
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Research Products
(7 results)