2012 Fiscal Year Annual Research Report
生体再生技術を応用した自己組織による生体弁の開発と弁置換後の機能評価
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22580369
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
上地 正実 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (90296426)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 再生医療 / 人工弁 / 弁移植 |
Research Abstract |
心臓病の治療において弁置換術が必要になることがある。代用弁には機械弁や生体弁があるが、抗血栓療法や弁の取替えが必要になるため、再手術の負担や医療費の高額化が問題となる。そこで生体内組織形成技術を応用して自己体内で弁付き導管(バイオバルブ)を作成し、ビーグル犬の肺動脈弁位への弁置換を行った。 バイオバルブを作成するための基材は、肺動脈弁の形態に類似したコラーゲンが形成されるように設計した。ビーグル犬の背側に基材を埋入して作成したバイオバルブの物理的特性を調べ肺動脈弁位に移植した際に十分な強度を持っていることを確認した。移植後は超音波診断装置にて弁の動きを確認し、カテーテル検査で右心室機能を評価した。バイオバルブ径は固定後に10mmまたは14mmであった。移植後の経胸壁エコーでバイオバルブの弁葉は良好な可動性が認められた。心臓造影検査では近位吻合部における狭窄が認められたものもあった。移植3ヵ月後における組織学的所見として、軽度狭窄で弁葉の消失がみられたもののバイオバルブ血管部の両端から内皮化およびエラスチン形成を伴う内膜の新生が起こり、良好な自己血管および弁化が認められた。移植後に認められた狭窄は、バイオバルブ径のサイズや固定法ならびに移植方法に起因すると考えられ、逆流の原因としては鋳型の設計や狭窄による圧負荷の増大が考えられた。 バイオバルブは3ヵ月間弁の可動性を良好に維持することができれば、レシピエント由来細胞による置換と組織の強化が期待され、移植したバイオバルブが成長に伴って大きくなることが示唆された。今後は、移植後の狭窄と逆流を軽減するためにこれらの原因に対する対策が今後の課題となった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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