2010 Fiscal Year Annual Research Report
猫の肥満がインスリンシグナリングおよびインスリン抵抗性に及ぼす影響の検討
Project/Area Number |
22580370
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
左向 敏紀 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (70153971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 昭博 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 助教 (60549559)
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Keywords | 糖尿病 / 猫 / インスリン |
Research Abstract |
平成22年度は研究に必要な肥満猫の作成を行った。まず現在飼育中の12頭の猫を、ランダムに6頭ずつ2群に分け、一方はコントロール群として、一般的な給餌量である一日エネルギー要求量である14×(安静時エネルギー要求量Bw0.75×70)で給餌し、もう一方は過剰給与群として2.8×(安静時エネルギー要求量Bw0.75×70)で給餌した。過剰給与群の体重が30%以上上昇した時点で、コントロール群との血漿代謝産物の比較を行った。血漿代謝産物としては従来測定されている代謝性疾患のマーカーであるグルコース、遊離脂肪酸、トリグリセライド、コレステロール、アディポサイトカインとしてアディポネクチン濃度および血糖コントロールマーカーとして近年我々のグループで確立した糖化アルブミンを測定した。また肥満は肝臓の脂肪蓄積とも関連しているという報告があるため、肝臓からの逸脱酵素である、AST、ALT、ALPおよびGGTを測定した。結果として、過剰給与群において遊離脂肪酸およびトリグリセライドおよびALTの上昇が認められた。続いて糖負荷試験を行った。結果として過剰給与の群ですべての猫が2峰性のインスリン分泌を示し、グルコースの半減期も正常猫と比較して延長が認められた。そのため、この群を以後、肥満群(インスリン抵抗性群)として様々な研究に用いる予定である。現在行っている研究では、市販されている猫用糖尿病療法食3種類を用いて、肥満群に給与し、どの療法食がもっとも血糖値を抑制することが可能であるか、また、インスリン分泌を抑制できるのかを検討している。この研究結果がまとまれば、平成23年度にはその成果を研究論文にまとめ、海外の学術雑誌に投稿をする予定である。
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Research Products
(3 results)