2011 Fiscal Year Annual Research Report
猫の肥満がインスリンシグナリングおよびインスリン抵抗性に及ぼす影響の検討
Project/Area Number |
22580370
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
左向 敏紀 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (70153971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 昭博 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 助教 (60549559)
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Keywords | 糖尿病 / 猫 / インスリン |
Research Abstract |
平成23年度は肥満猫を用いて、市販されている猫用糖尿病療法食4種類を用いて、肥満群に給与し、どの療法食がもっとも血糖値を抑制することが可能であるか、また、インスリン分泌を抑制できるのかを検討した。食後の血糖値およびインスリン濃度を比較検討するために、研究には3種類の糖尿病療法食および療法食を使用した。詳細は次の通りである:糖尿病療法食として、フードA(糖コントロール:糖尿病療法食:高たんぱく食)、フードB(W/D:糖尿病療法食:高繊維食)、フードC(M/D:糖尿病療法食:高脂肪食)を使用し、また対象食(コントロール食)としてC/D(ドライ:維持療法食:高炭水化物食)を使用した。 その結果、食後の血糖値およびインスリン値はすべての糖尿病療法食とコントロール食の間に有意な差は認められなかった。しかしながら、コントロール食はフードAおよびCに比べて炭水化物含有量が30~50%多く配合されているためGlucoser-AUC_<0-10hour>が有意に上昇した。したがって、低炭水化物食である糖尿病療法食は肥満猫においても高炭水化物食:(コントロール食)よりも良い血糖管理を行うことが可能であると考えられる。さらに、糖尿病療法食のInsulin-AUC_<0-10hour>はコントロール食と比べて有意に減少していた。糖尿病療法食はすべて繊維の含有量が高いため、インスリン分泌の調節には繊維の含有量が大きくかかわっていることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、順調に進展していると考えられる。その理由としては肥満猫において食事の違いによる食後の血糖値およびインスリン値を評価することができた。この内容を研究論文にまとめ学術雑誌に投稿をする予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は肥満猫を用いて研究計画通りに新たに人工膵臓装置を用いた正常血糖クランプ法によるインスリン抵抗性の評価および肝臓、骨格筋および脂肪組織からバイオプシーを行いインスリン感受性組織における、インスリンシグナリング遺伝子の発現を検討する。バイオプシーの方法は猫を鎮静させたのちに行い、以前我々によって報告されたものと同じ方法で行う。
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Research Products
(2 results)