2011 Fiscal Year Annual Research Report
自家骨髄移植によるイヌの肝再生医療の確立に関する研究
Project/Area Number |
22580371
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
久末 正晴 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (80333144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根尾 櫻子 麻布大学, 獣医学部, 助教 (50532107)
荻原 喜久美 麻布大学, 生命・環境科学部, 講師 (50154381)
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Keywords | 移植 / 犬 / 肝臓 / 骨髄 / 再生 |
Research Abstract |
【研究1.イヌにおけるABMI療法に適切な前処置薬の検討】 まず、犬肝がん細胞株を用いて至適な肝細胞前駆細胞マーカーを検討した。さらに正常ビーグル犬にG-CSFを投与し、骨髄細胞を採取して造血幹細胞マーカー(CD34、CD133)、肝細胞前駆細胞マーカー(CD29,CD49f,Dlk1)およびHGF受容体(c-Met)の発現細胞比率をフローサイトメトリーにて解析した。しかし、G-CSF投与では明らかな肝細胞マーカーの増加は見い出せなかった。 【研究2.ABMI療法に適切な投与経路の検討】 現在、ABMI療法の投与経路として静脈内、脾臓および肝臓の門脈からの投与が提唱されている。そこで、骨髄細胞を採取後にPKH26GLによって蛍光標識し、それぞれの投与経路から骨髄細胞を移植し、投与後の全身臓器への分布と臓器障害の有無を解析した。 【研究3.肝障害モデル動物に対する骨髄移随細胞の生着率および肝障害改善効果の検討】 免疫不全マウスに四塩化炭素を投与した肝障害モデルおよび犬の肝臓の部分切除を行い肝障害モデル動物を作製した。作製後に骨髄細胞を採取し、骨髄細胞を分離・洗浄しPKH26GLLによって蛍光標識し移植を行った。その後血液中肝酵素および胆汁酸試験などを評価し、肝臓機能の回復具合を評価する。最終的に使用動物は病理解剖を実施した。急性肝障害モデルマウスでは、多くの細胞が肝臓特異的に標識細胞が集積していることが明らかとなった。現在、この細胞の特性を免疫染色を用いて解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
まず、ABMIに有効な前処置薬の組み合わせではG-CSF投与の有無によって明らかな差は見いだせなかった。さらに、使用した免疫不全マウスの肝障害モデルを作製するために8週間ほどかかることが明らかとなり予定より骨髄細胞移植実験が円滑に進んでいない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、免疫不全マウスの肝障害については順次解析を行っており研究期間内には終了させることが見込まれる。また、犬の肝障害モデルに対する移植実験はほぼ終了し、本年度は本格的にABMIを臨床応用できる目処が立ちつつある。
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