2010 Fiscal Year Annual Research Report
堆積相微生物燃料電池による水田での発電とそれが土壌環境とメタン放出に与える影響
Project/Area Number |
22580373
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
加来 伸夫 山形大学, 農学部, 准教授 (80359570)
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Keywords | 自然循環システム / 自然エネルギー / 微生物燃料電池 / メタン放出 / 光合成 |
Research Abstract |
本研究では、水田に設置した堆積相微生物燃料電池技術(sediment mincrobial fuel cell ; SMFC)の起電力に対する光の影響について明らかにするとともに、水田へのSMFCの設置が土壌環境に与える影響、さらには水田からのメタン放出に与える影響について明らかにすることを口的として実験を行った。SMFCは、負極を湛水した水田土壌中に埋設し、正極を土壌表面に設置して、正極と負極を間に抵抗を挟んで銅線を用いて接続することで構築した。正極の中心には丸い穴を開けておき、ここに水稲の苗を移植した。SMFCの発電量は、日中に高く、夜間に低下するという日変化を示した。夜間でも照明を当てると発電量が上昇したことから、発電量の日変化は日光照射量に影響を受けているものと思われた。日中に正極を遮光すると大幅に発電量が低下したが、水稲を遮光してもほとんど低下しなかったことから、正極への光照射が重要であると思われた。除草剤(光合成微生物の光合成阻害剤)を散布すると日中でも発電が阻害され、また、田面水にエアレーションすることで夜間の発電量の低下をある程度防ぐことができることから、光合成微生物の光合成により生じる酸素がSMFCにおける発電に重要な役割を果たしていることが示唆された。光合成微生物量の指標となるクロロフィル量を正極上で調べたところ、田面に日光がよく当たる稲作前半に高く、水稲が生育して田面を覆ってしまい田面に日光があまり届かなくなる稲作後半には低くなった。正極への光照射量が発電量に与える影響は稲作前半に大きく、稲作後半には小さくなり、クロロフィル量の変化とよく対応していた。SMFCの設置が水田土壌中の環境要因や水田からのメタン放出量に及ぼす影響についても調べた。
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Research Products
(1 results)