2012 Fiscal Year Annual Research Report
堆積相微生物燃料電池による水田での発電とそれが土壌環境とメタン放出に与える影響
Project/Area Number |
22580373
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
加来 伸夫 山形大学, 農学部, 准教授 (80359570)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 自然循環システム / 自然エネルギー / 微生物燃料電池 / メタン放出 / 光合成 |
Research Abstract |
水田に設置した堆積層微生物燃料電池(sediment microbial fuel cell, SMFC)における発電量は、暗条件下では低く、明条件下で高くなり、光の照射により発電量が高くなることが確証された。以前の研究では、藻類の光合成阻害剤を添加することで発電が阻害されたことから、この明条件下での発電量の増大は、光合成微生物によるものと考えられた。 光合成微生物が正極反応を促進することができるかどうかを確認するため、負極槽に電流生産微生物を、正極槽に光合成微生物(昨年度に正極より分離した)を接種したリアクター型MFCを用いて発電実験を行い、光照射の有無により発電量がどのように変化するかを調べた。その結果、光合成微生物を正極槽に添加して光照射することで、発電量が明らかに増大することが分かった。この結果は、正極反応促進能力の高い光合成微生物を分離して利用することで、バイオカソードを構築できる可能性を示唆しているものと思われた。昨年度に負極から分離した菌株については、16S rRNA遺伝子の塩基配列に基づいた系統解析を行った。数菌株について系統解析を行ったが、いずれもClostridium属に配属された。正極および負極における微生物の多様性と機能について解明するためには、分子的手法により群集構造解析をさらに行うとともに、もっと多くの菌株を分離してその性質を明らかにする必要がある。 水田へのSMFCの設置は、水稲の生育に影響しなかったが、水田土壌中におけるメタン生成量を増大させ、結果として水田からのメタン放出量をわずかに増加させた。SMFCの実用化に向けて、水田土壌中におけるメタン生成量の増大を防ぐ方策が必要であることが分かった。SMFCの発電量は小さかったが、直列に多数のSMFCを繋ぐことで、容易に10 Vを超える電圧を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)