2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22580375
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
金尾 忠芳 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (40379813)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 無機硫黄化合物 / 硫黄代謝 / 硫黄酸化細菌 / 酵素化学 / 好酸性細菌 / 酵素の結晶化 / refolding / 構造解析 |
Research Abstract |
本研究は、硫黄酸化細菌に存在する無機硫黄化合物を基質とした酵素について詳細な解析を行い、この様な細菌の硫黄代謝に対する理解を深めるとともに、「無機硫黄の酵素化学」という新たな学問領域への知見の蓄積を目的とする。本年度は鉄硫黄酸化細菌の一種 Acidithiobacillus ferrooxidans をモデル微生物とし、硫黄化合物を代謝する酵素テトラチオン酸ハイドロラーゼ(4THase)について詳細な研究を行った。4THaseは、無機硫黄化合物の加水分解反応を触媒し一部の好酸性微生物にのみ確認されている、一次構造・反応機構においても極めてユニークな酵素である。本酵素のX-線結晶構造解析は、これらを解明する最も有効な手段である。本研究課題において、4THaseをコードした遺伝子(Af-tth)が同定され、大腸菌による組換え発現と封入体による回収、新規な酸性条件下でのrefolding法による活性型酵素の獲得に成功した。さらにこの様にして得られた活性型の本酵素を、カラムクロマトグラフィーなどを用いて高度に精製し、4THaseの結晶化に成功した。そしてこの結晶化条件を最適化し、構造解析に値する0.1 mm程度の六画柱の結晶を獲得することができた。これを兵庫県佐用町の大型放射光施設SPring-8にて解析を行った結果、2.15Aの回折像を得た。しかしながら、新規な一次構造を持つ本酵素の立体構造の解明には、分子置換法が適用できないことが判明し 、MAD/SAD法による解析が必要となった。このため、セレノメチオニン(Se-Met)置換した本酵素の結晶の作製を行い、SPring-8にて2.8Aの回折像を得た。これらのデータを基に位相の決定、および最適化を進め本酵素の立体構造を決定する作業を行っている。さらに反応機構の解明のため、基質であるテトラチオン酸存在下での結晶形成に取りかかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)