2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22580381
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
辻坊 裕 大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (90175464)
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Keywords | キチン / キチナーゼ / キチン分解細菌 |
Research Abstract |
グラム陰性海洋細菌Pseudoalteromonas piscicida O-7株は、キチン存在下において、4種類のキチナーゼ、3種類のN-アセチルグルコサミニダーゼおよび2種類のプロテアーゼを産生し、キチンをN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)にまで分解することを明らかにしている。最近、Illumina社のGenome Analyzerを用いて、O-7株のゲノム解析を行った結果、新たに1種類のキチナーゼ(ChiE)およびN-アセチルグルコサミニダーゼ(GlcNAcase D)遺伝子が存在することを認めた。ChiEは、ChiAと相同性の高いファミリー18に属する触媒ドメイン、およびそのC末端側に2つのPKD領域と2つのキチン結合領域(ChtBD)を有する分子量95,559Daの前駆体タンパク質としてコードされていた。また、chiE遺伝子の19塩基上流域に、2つのChtBDを有するキチン結合タンパク質(Cbp2)をコードするORFが認められた。一方、GlcNAcase Dは、シグナルペプチドを有し、ファミリー20に属する触媒領域からなる分子量88,700Daの前駆体タンパク質としてコードされていた。次に、これら遺伝子の転写量について検討したところ、GlcNAc存在下でChiEおよびCbp2遺伝子発現量は、培養中期において2倍に、GlcNAcase D遺伝子発現量は、すべての培養時期において30倍に増大した。今後、ChiE、Cbp2およびGlcNAcase Dのキチン分解系における役割を明らかにする目的で、それらタンパク質の高発現系を構築し、タンパク質化学的および酵素学的諸性質について検討する。
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Research Products
(4 results)