2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22580381
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
辻坊 裕 大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (90175464)
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Keywords | キチン / キチナーゼ / キチン分解細菌 |
Research Abstract |
グラム陰性海洋細菌Pseudoalteromonas piscicidaO-7株は、キチン存在下において、4種類のキチナーゼ、3種類のN-アセチルグルコサミニダーゼおよび2種類のプロテアーゼを産生し、キチンをN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)にまで分解することを明らかにしている。最近、Illumina社のGenome Analyzerを用いて、O-7株のゲノム解析を行った結果、新たに2種類のキチナーゼ(ChiE、ChiF)およびN-アセチルグルコサミニダーゼ(GlcNAcaseD)遺伝子が存在することを認めた。ChiEは、ChiAと相同性の高いファミリー18に属する触媒ドメイン、およびそのC末端側に2つのPKD領域と2つのキチン結合領域(ChtBD)を有する分子量95.6kDa の前駆体タンパク質としてコードされていた。また、chiE遺伝子の19塩基上流域に、2つのChtBDを有するキチン結合タンパク質(Cbp2)をコードするORFが認められた。さらに、ChiFは、ファミリー19に属する触媒ドメイン、およびそのC末端側に機能未知領域とChtBD領域を有する分子量53.1kDaの前駆体タンパク質としてコードされていた。一方、GlcNAcase Dは、シグナルペプチドを有し、ファミリー20に属する触媒領域からなる分子量88.7kDaの前駆体タンパク質としてコードされていた。次に、これら遺伝子の転写量について検討したところ、GlcNAc存在下でChiEおよびCbp2遺伝子発現量は、培養中期において2倍に、GlcNAcase D遺伝子発現量は、すべての培養時期において30倍に増大した。今後、ChiE、ChiF、Cbp2およびGlcNAcase Dのキチン分解系における役割を明らかにする目的で、それらタンパク質の高発現系を構築し、タンパク質化学的および酵素学的諸性質について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Pseudoalteromonas piscicida O-7株のドラフトゲノム解析を行った結果、キチン分解機構に関与すると思われる新たな遺伝子が存在することを認めたことから、それらタンパク質の諸性質を明らかにすることを優先した。
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Strategy for Future Research Activity |
先に記したとおり、まず、キチン分解機構に関与する新規タンパク質の諸性質を明らかにする。続いて、交付申請書に記載した「本年度の研究実施計画」に基づいて、キチン分解産物の細胞外から細胞内への輸送系の解析、および細胞内に輸送されたN-アセチルグルコサミンからフルクトース-6-リン酸への代謝経路に関与する酵素の特定および役割を明らかにしたい。
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