2010 Fiscal Year Annual Research Report
マダケ属の栄養生長モデルによる肥大および成熟制御機構の解明
Project/Area Number |
22580387
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
荻田 信二郎 富山県立大学, 工学部, 准教授 (50363875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 康夫 富山県立大学, 工学部, 教授 (20254237)
岸本 崇生 富山県立大学, 工学部, 准教授 (60312394)
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Keywords | 植物 / マダケ属 / 細胞・組織 / 分子育種 / 懸濁培養 / 代謝 / リグニン |
Research Abstract |
温帯性竹類(Phyllostachysマダケ属)は、春先「地下茎からの筍の肥大」、夏期「稈の伸長・成熟」を伴うダイナミックな栄養繁殖をライフサイクル最大の特徴とする。この生長には先端部分の生長点と、各節の生長帯の2分裂組織が関与している。本研究では、申請者が確立したマダケ属の細胞・組織培養技術を活用し、従来の研究で成しえなかった(1)同調細胞培養系による「通年の生長生理解析と肥大・成熟制御要因の探索」、(2)安定提供可能なクローン竹苗を用いた「微小管内・温室等による生長特性の検証」を行うことによって、マダケ属の「肥大・成熟機構の解明」に寄与することを目的とする。今年度はハチク培養細胞の同調培養系を効率化し、格段に高い増殖性を示す培養条件を明らかにすると共に、効率のよい遺伝子導入技術を確立した。これにより、タケの培養細胞を用いた分子生物学的解析の基盤が整備できた。本培養細胞は、リグニンの蓄積モデルとしても優れた資質を有しており、条件検討の結果、2週間以内に成竹と同等のリグニンを蓄積することが明らかになった。また、フィールドおよび微小管内における筍の肥大の程度を経時的に調査し、組織化学的解析および生理学的な解析に着手した。一部の成果は国内外の植物関連大会で発表を行っている。
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