2010 Fiscal Year Annual Research Report
核磁気共鳴法および質量分析法による糖鎖の構造解析とダイナミクス研究
Project/Area Number |
22590001
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
関 宏子 千葉大学, 分析センター, 准教授 (60114245)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 清香 国立大学法人千葉大学, 分析センター, 技術職員 (10568439)
|
Keywords | 核磁気共鳴 / 質量分析 / 糖鎖構造 / ダイナミクス / ^<31>P-NMR |
Research Abstract |
糖鎖を含む生体化合物にはリン酸化されているものが多いが、^<31>P-NMRに関する詳細な解析は少なく、立体構造を含めた解析例はほとんど無い。今回、PhosphateまたはPhosphonateが結合したモデル糖とくらげムチンのリンとのスピン結合定数を決定する手法について検討した。また立体構造を調べるために、HOESY (Hetero-nudear Overhauser Effect Spectroscop Y)測定を検討した。糖鎖のシグナルは、化学結合に差が無くかつ複雑に重なりあっている。そこで、^<31>Pを選択的にデカップリングし、オリジナルとの差をとり、重なり合ったスペクトルの中から^<31>Pと結合した部位のみを^1Hおよび^<13>Cで観測する手法を確立した。さらに、NOE(Nuclear Overhauser Effect)/ROE (Rotating frame Overhauser Effect)法で得られた情報をSPT (Selective Population Transfer)で展開し、込み合ったスペクトルの中から糖の結合情報や配座情報を得ることを検討した結果、β結合型GalおよびGalNAcについて好結果を得た。α結合型に関してはさらに検討中である。これらの手法からより正確な帰属情報が得られ、くらげムチンとモデル糖鎖だけでなくその他の糖鎖化合物にも広く応用できると期待している。本結果は、農芸化学会、25^<th> ICS2010 (International Carbohydrate Symposium)、NMR討論会で発表した。また多段階MS^nが可能な超高精度質量分析装置で、クニウムチンをはじめ複雑に結合している糖タンパク質の構造解析に有効な測定条件や測定手法を検討する予定である。
|