2012 Fiscal Year Annual Research Report
核磁気共鳴法および質量分析法による糖鎖の構造解析とダイナミクス研究
Project/Area Number |
22590001
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
関 宏子 千葉大学, 分析センター, 特任准教授 (60114245)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 清香 千葉大学, 工学部, 技術職員 (10568439)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 核磁気共鳴 / 質量分析 / 糖鎖構造 / 31P-NMR / ダイナミクス |
Research Abstract |
糖鎖付加による蛋白質の修飾は、生理活性には必須であり糖鎖の解析は欠かせない。注目される蛋白質の半分以上は糖蛋白質である。しかしながら、糖鎖の安定同位体ラベルが、通常の蛋白質に比べて非常に高価になってしまうなどの困難を伴うため、また糖鎖の多くは良い結晶が得られずX線回折も困難であるため、NMRも含めて世界的に研究が立ち後れている。さらに、生体内の糖蛋白質はNMRで必要な量を入手するのが困難な場合が多く、より高感度なMSによる解析が試みられているが、糖鎖構造の多様性(構造異性体)等から糖鎖構造の詳細な解析手法は未解決である。込み合った糖鎖シグナルの解析に、2Dではf1 sel. HSQC-TOCSY, f2, f1 sel. HMBC, 1DではDPFGSE を使ったNOE/ROEとSPTを組み合わせる新測定法を開発した。Mannose pentasaccharide (M5) はN型糖鎖の中心部分を構成し、マンノース糖鎖は信号の重なりが多く、解析の鍵となるアノメリック1Hと2位の1Hとのスピン結合定数が小さいため、NMRでの解析が困難である。これを新たに開発した測定法により全シグナルの帰属、立体構造と配座解析を行なった。さらに、20~50℃でも糖鎖間の結合部分の運動によるシフトとスピン結合定数に差が見られ、新規測定法が糖鎖のダイナミクス研究に役立つことを立証した。 また、MSによる糖鎖構造の詳細な解析手法を確立するため、はじめにNMRで予め構造決定された、結合している糖の数が比較的少ないオリゴ糖について解析を行い、MSスペクトルパターンと糖構造との関連について検討を行った。その結果、β1-4結合の二糖のMS2スペクトルではβ1-6結合の二糖の測定結果に比べて脱水ピークが顕著に検出される等、結合位置の異なるオリゴ糖のMSnスペクトルパターンに有意差が認められた。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(11 results)