2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590002
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横島 聡 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 准教授 (10376593)
|
Keywords | Diels-Alder反応 / アザプリンス反応 / ジブロモシクロプロパン / 電子環状反応 / エノン / ジスルフィド / ハロゲン-リチウム交換 / アリルカチオン |
Research Abstract |
プレゴンから数工程を経て文献既知法〔J/Org.Chem.,49,2647(1984)〕にて得られるエノンとイソプレンのDiels-Alder反応を行い、シスオクタリンを得た。通常のルイス酸を用いる条件では、アルファ位の異性化が観察された。その後還元的アミノ化により立体選択的に窒素原子を導入した。還元剤がより立体障害の小さい側から反応することで、望みの立体化学を有する化合物を得ることができた。導入した窒素原子を足掛かりとしてアザプリンス反応を行い三環性骨格の構築を行った。反応は酸性条件下ホルマリンを作用させることで円滑に進行した。続いて新たに生じる二重結合に対してジブロモシクロプロパン化を行ったが、窒素原子上の置換基が反応の成否に大きく影響することを見いだした。得られたジブロモシクロプロパンを加熱することで、二電子系の逆旋的な電子環状反応を行いアリルカチオンを生成し、分子内の窒素原子で捕捉することで、四環性化合物を得ることに成功した。得られた臭化アリル体を足掛かりとしてエノンへと変換する検討を行った。二重結合の酸化については、目的とする化合物を得るにはいたらなかった。ハロゲン-リチウム交換により得られるリチオ体は、ジスルフィド、亜硝酸エステル、スルホニルアジドなどと反応することが明らかとなり、エノン体を得ることに成功した。その後、エノンから当研究室で確立した方法を応用することでピリドン環の構築を行い、リコナジンAの全合成を達成した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
類縁体合成研究の基盤となるリコナジンAの全合成法を確立したから。
|
Strategy for Future Research Activity |
リコナジンAの全合成法を確立したので、種々の類縁体合成へと展開する。
|
Research Products
(6 results)