2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590003
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
阿部 仁 富山大学, その他の研究科, 教授 (70221728)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | パラジウム / エラジタンニン / 全合成 / エラグ酸 |
Research Abstract |
1.エラジタンニン類の合成研究:これまでに、天然エラジタンニン isorugosin B および rugosin B の全メチル誘導体の合成に成功しているので、今回はフェノール性水酸基の保護基の検討を行なうことにより、天然物の全合成を目指した。その結果、すべての水酸基をベンジル基で保護することが適切であるとの結論を得た。しかしながら、重要部分構造であるビアリールエーテル部分の合成は、保護基の立体障害により著しく困難であった。そこで、隣接する二つのフェノール性水酸基をベンジリデン保護することで、立体障害が緩和されビアリールエーテルの構築が容易となった。このことを用いて、デヒドロジガル酸の合成に成功した。2.フラン縮環型複素環化合物の合成:フラン環を有する多環式複素環化合物を合成するために種々のフラノイルエステル類のビアリールカップリング反応を検討した。その過程で得られた知見を基に、天然物である neotanshinlactone の合成をおこなうことができた。3.Nigracanin の合成:エラグ酸誘導体であるnigricanin は特異な構造を有する四環性化合物であるが、これまでに合成例が無かった。今回、分子内ビアリールカップリング反応を利用してその全合成を検討し、完了した。4.Altertenuol の合成:天然フェノール性分子であるaltertenuol を合成した。その過程において、分子内ビアリールカップリング反応における位置選択性についての重要な知見を得、反応の遷移状態モデルを提唱することができた。すなわち、反応系中のリンリガンドの有無、塩基の種類などによって、異なる遷移状態を通ることが強く示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)