2010 Fiscal Year Annual Research Report
カンジダ感染モデルカイコを利用した天然由来の新規抗真菌薬の開拓
Project/Area Number |
22590013
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
内田 龍児 北里大学, 薬学部, 講師 (60280632)
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Keywords | 天然物化学 / 天然資源 / 抗真菌剤 / カイコ / in vivo |
Research Abstract |
真菌症対策の一環として、カイコを宿主としたカンジダ感染モデル(臨床分離カンジダ・アルビカンスTIMM1768株を感染)を用い、天然資源より抗真菌剤のリードと成り得る新規化合物の発見を目的に探索研究を実施した。本年度は、まずペーパーディスク法で抗カンジダ活性を示した真菌および放線菌などの微生物の培養液を選択し、これをカイコカンジダ感染モデル(カイコ評価系)で評価を行い、治療効果(延命効果)が認められる培養液を精製候補株とした。北里生命科学研究所において提供された微生物の培養液8,707サンプルを評価した結果、11サンプル(真菌:5サンプル、放線菌:6サンプル)に延命効果が確認された。これらのうち、これまでの研究成果においてカイコ評価系で延命効果を示すことを明らかにした化合物(ポリエン系化合物:4株、トリコテセン類2株)を除く真菌の選択株3サンプル(FKI-6182、6203および6314株)および放線菌の選択株2サンプル(K10-0382および0569株)について検討した。 真菌FKI-6203および6314株からはそれぞれアザフィロン系およびモノルデン系の化合物を単離したが、カイコ評価系での延命効果は非常に弱かった。また、放線菌K10-0382株からはアンチマイシンA2を単離し、カイコ評価系において0.05~0.5μg/幼虫の濃度では延命効果が認められたが、高濃度では毒性を示した。その他の選択株については現在抗真菌活性を示す化合物を精製している。また、優先順位の低かった過去の培養液を再評価した結果、真菌および放線菌の培養液から4株選択することができ、順次精製の検討を行う。 来年度もスクリーニングも継続して行うが、未検討あるいは検討中の選択株(6サンプル)から新規抗真菌化合物の取得を重点目標とする。
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