2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590016
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
榛澤 雄二 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (10096688)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 有機合成 / ジルコノセン錯体 / 遷移金属触媒 / 複素環構築 / ライセルト型反応 / 求核反応 / エナンチオ選択性 / アシルジルコノセン |
Research Abstract |
1.求核反応活性の低い有機ジルコノセン錯体(アルキル-、アルケニル-およびアシル-ジルコノセンクロリド錯体)を用い、複素環化合物への求核試薬としての反応を行った。特に、前年度に申請者が明らかにしたアルケニルジルコノセン錯体を求核種とするキノリン等芳香族複素環化合物への位置選択的ライセルト型付加反応を利用する求核反応を各種誘導体に展開した。それら反応における位置選択性に対する反応溶媒、さらには用いる金属触媒により位置選択性が異なることを明らかにした。これらは、生理活性が期待できる複素環への炭素置換基の効率的な新たな導入法を可能にするものであり、キノリンあるいはピリジン骨格を有する誘導体の新たな構築法として意義あるものである。 2.アシルジルコノセン錯体を求核種とする複素環化合物との反応の一環として、1と同様のライセルト型反応による求核的アシル化を目的としてキノリンとの反応を行い、アルケニルジルコノセン錯体を用いる場合と同様な結果を得た。一方、イソキノリンとアシルジルコノセン錯体との反応では、ライセルト型の反応に必要とされるアシル化剤を用いることなく反応が進行し、しかも触媒としてブレンステッド酸としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いるのみで1,2-ジヒドロ-N-アシル化体が生成することを見出した。この反応におけるN-アシル基はアシルジルコノセン錯体由来であり、非常に特殊な反応を経由していると考えられた。この反応について重水素を含むヘキサフルオロイソプロパノールを用いて実験を行った結果、分子内アシル基の1,2-転移反応を含んでいることを明らかにした。今後、芳香族複素環への炭素置換基の新たな導入法として重要な知見を与えるものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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