2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590017
|
Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
田村 修 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (30257141)
|
Keywords | 薬学 / 有機化学 / 1,3-双極子 / 環化付加反応 / アミドN-ボラノニトロン / 3,5-cis-イソキサゾリジン / tubulysin誘導体 / dysiherbain |
Research Abstract |
1)糖を不斉補助基とするニトロンへのシロキシフランの立体選択的付加反応をnon-NMDA型グルタミン酸受容体の強力なアゴニストであるdysiherbainの合成に応用し、畑山らの中間体を効率よく合成できた。 2)Tubulysin Dは、強力な制がん活性を有するテトラペプチド型天然物である。これまで、我々は、この化合物をニトロンの1,3-双極子環化付加反応を用いて合成してきた。このテトラペプチドの中央に位置するtubuvalineは2つの不斉中心を有する非ペプチド型アミノ酸である。このtubuvalineの4つの立体異性体を合成し、テトラペプチドに組み込み、tubulysin Dの11位と13位に関する4つの異性体を合成して生物活性を測定した。その結果、13位の立体化学が生物活性により影響を与えることを見出した。 3)カンファースルタムを不斉補助基として用いるN-ボラノニトロンの環化付加反応を用いてnegamysinの合成研究を行いジペプチド構造まで合成できた。 4)エステル置換N-ボラノニトロンと1-アルケンとの反応では3,5-trans環化付加体が得られるのに対し、アミド置換N-ボラノニトロンと1-アルケンとの反応では3,5-cis環化付加体が得られるという反応を見出していたが、この反応の一般化を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)ニトロンとシロキシフランの付加反応を用いる合成を完結できた。 2)ニトロンの環化付加反応を用いるtubulysin類の合成研究を完結できた 3)N-ボラノニトロン用いるnegamycinの合成研究が後一歩である。 4)アミド置換N-ボラノニトロンのcis-選択的環化付加反応を一般化できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
1)Negamycinの合成については、途中で立体化学が一部異性化する工程があるので、改善する。 2)アミド置換N-ボラノニトロンのcis-選択的環化付加反応を1,3-syn-aminoalcolの合成に展開する。スフィンゴシン合成の阻害剤であるHPA-12の立体構造が極最近1,3-synに訂正された。本反応をHPA-12合成に展開したい。
|