2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和型化学を基盤とする創薬シーズ天然物の合成と構造活性相関に関する研究
Project/Area Number |
22590019
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
青柳 裕 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (70212389)
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Keywords | 環境調和型化学 / マイクロウェーブ / ent-カウレン / salvileucalin類 / トリプドライドアナログ |
Research Abstract |
本年は研究計画め初年度として、以下の4点に関して検討を行った。1)栽培可能な植物資源としてSalvia leucantha(ブッシュセージ)を植物材料として選び、水-メタノール系という比較的環境に負荷のかからない溶媒を用いる創薬シーズの探索を行った。その結果、これまでに類を見ないbicycle[3.2.1]hept-6-ene構造を有するジテルペンsalvileucalin Cとその生合成前駆体と考えられるsalvileucalin Dを見出し、その絶対構造を決定した。一方、salviandulin Eを比較的多量に得たことから、これを用いるアナログ合成を行い、in vitro試験において強力な抗トリパソノーマ原虫活性を示すシーズ化合物を見出すことが出来た。2)NF-κBは、炎症に関連する細胞内転写因子であり、近年抗炎症薬開発の鍵因子として注目されている。そこで、シソ科植物Rabdosia excisaの水抽出エキスから比較的多量に得られるent-カウレン型ジテルペンを原料として、NF-κB活性化阻害作用を有するアナログの合成を行った。その際、位置選択的脱アシル化反応においてマイクロウェーブを用いることにより、反応時間の短縮化と収率向上を実現した。これは、既存の加熱と比べて格段にエネルギー効率を高めることが出来たと考えられる。3)リパーゼTLを用いた光学分割反応に関しては、様々な炭素数のアルコールを用いて種々の低温度条件下化学収率や光学純度の変化を検討した。一方、この光学分割反応を鍵反応として得られたピペラジン酸の縮合反応も検討した結果、ピベラジン酸を含むジペプチドの効率的合成を見出した。4)アビエタン骨格を有する強力な細胞毒活性トリプトライドアナログの合成にも成功し、その活性発現に必須の三次元的構造因子を明らかにした。
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Research Products
(2 results)