2010 Fiscal Year Annual Research Report
リサイクル型不斉アミノ化剤による多連続不斉炭素構築法の開発研究
Project/Area Number |
22590024
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
小関 稔 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (40465597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 正行 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (20239982)
細井 信造 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (60209236)
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Keywords | tandem反応 / グリーンケミストリー / キラルアミン / 多連続不斉炭素 / Michael付加反応 / tandem Michael-aldol反応 / double Michael付加反応 / tandem double Michael-aldol反応 |
Research Abstract |
近年、グリーンケミストリーの観点から環境に負荷を与えない環境調和型反応の開発が求められている。中でも一度の実験操作で複数の反応が進行するtandem型反応は、反応行程数や廃棄物を削減できることから重要な研究課題の一つである。このような研究背景のもと申請者は当該年度の研究で、新規キラルアミンのα,β-不飽和エステルへの不斉Michael付加反応で生成するエノラートを種々の求電子剤でトラップし、最大5連続不斉炭素の構築を可能とするtandem型反応の開発に成功した。求電子剤としてアルデヒドを用いたtandem Michael-aldol反応、基質にジエンジエステルを用いた分子内double Michael付加反応では3連続不斉炭素を有するβ-アミノエステル誘導体を高立体選択的に得ることが出来た。更にこれらの反応を組み合わせたtandem double Michael-aldol反応では一挙に5連続不斉炭素を制御することに成功し、32種類の生成可能なジアステレオマーのうち1種類のジアステレオマーを高立体選択的に得ることが出来た。また申請者は、生理活性化合物に多く見られるα-ヒドロキシ-β-アミノ酸骨格の構築を可能とするtandem型反応の開発を計画した。特に本研究ではエノラートの直接的な酸化では構築困難なsyn体の選択的合成法の開発を目指して検討を行った。α,β-不飽和エステルへのキラルアミンの不斉Michael付加で生成したエノラートを種々の酸化剤で酸化することで収率良くα-ヒドロキシ-β-アミノ酸誘導体を得ることが出来た。しかしながら、主生成物の立体配置はantiであり、目的のsyn体を選択的に得るには至っていない。現在、syn選択的に反応が進行する反応条件の最適化にむけて検討中である。
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Research Products
(10 results)