2012 Fiscal Year Annual Research Report
GPI阻害活性を有するセスタテルペンYW3699のキラル合成と絶対配置
Project/Area Number |
22590028
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
通 元夫 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (90163956)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2014-03-31
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Keywords | RCM反応 / セスタテルペン / 絶対配置 / GPI / YW3699 |
Research Abstract |
本年度はA環(5員環)とB環(8員環)の核間に水酸基を導入することを目的として研究を進めた結果,ヨウ素を基盤とする試薬を応用することで可能となることを明らかにした.基質としてこれまで進めてきたものは,時間を要するため,より簡単に進められるものを考案し,上記の検討を行った.具体的には1,3-ジケトンの2位を酸化するというものであり,収率よくまた立体選択的に導入することに成功した. 一方,C環部分は上記モデルでは簡素化したものを用いているため,さらに真の合成に近づけるために,C,D環を有するモデルの合成を行った,シクロへキセノン誘導体にイソプロペニル化を行い,続いてメトキシカルボニル化をワンポットで行い,ケトンを還元して転位の足がかりとした.エッシェンモーザー転位を行ってアルキル基を導入した.この段階でA環とシャピロ反応を行うことが可能かどうかを試した.完全な2環性ラクトンにするとシャピロ反応が進行しないことが分かっていたため,その前の段階で種々試した.収率に問題が残ったが,側鎖を導入した後で可能になることが判明した. 次いで,8員環閉環の可能性を種々検討した.上記のモデルでまず,8員環を構築してから核間に水酸基を導入する方法と,水酸基を導入した後で8員環を閉環する方法を比較検討した,閉環の収率は水酸基を導入する前の方が高いことが判明した,閉環した化合物の立体化学は天然物のそれらと同じであり,望ましい立体化学であることを証明した.従って今後はCD環を有する化合物とのシャピロ反応を検討して8員環が閉環できればより目的に近くなることが判明した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最大の目標であった8員環への閉環反応が順調に進行している. A環とC環に相当する化合物のシャピロ反応が進行し,中間のB環を合成することができた.これにより3環性モデル化合物を効率よく合成した. C環,D環に相当するモデル化合物の合成も進行した. 核間の位置に水酸基を立体選択的に導入することに成功した.
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Strategy for Future Research Activity |
CD環部分のモデルとA環部分のモデルをシャピロ反応で結合し,8員環を合成すること.さらにその化合物の核間に水酸基を導入することを最大の目標とする.CD環部分の合成中間体をそれぞれの段階でA環と結合させることにより,どの段階が最も効率が良いかを検討する.
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