2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経栄養因子活性を有する天然物の生物有機化学的研究
Project/Area Number |
22590029
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
福山 愛保 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (70208990)
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Keywords | 神経栄養因子活性 / 神経変性疾患 / 神経新生 / 嗅球摘出マウス / ネオビブサニン / タアラアミデイン / フェニルブタノイドダイマー / 神経細胞培養 |
Research Abstract |
本年度は,四種の活性化合物ネオビブサニン(1),メリラクトンA(2),タアラアミデイン(3)ならびにフェニルブタノイドダイマー(8)の合成研究が順調に進み、特に、ネオビブサニン(1)、タアラアミデイン(3)ならびにフェニルブタノイドダイマー(8)の全合成を完了した。さらに、構造活性相関ならびに各種阻害剤を用いた薬理学的手法ならびに免疫組織学的手法を駆使して細胞内シグナル伝達系リン酸化亢進タンパクの同定により,1と3の活性化合物の作用機序を解析した。また、8の神経変性疾患モデルマウスに対する有効性も検討した。 1.ネオビブサニン(1)のラセミ体が合成できたので、両鏡像体の活性を評価した。ラセミ体での神経栄養因子活性に差が認められなかった。さらに、ネオビブサニン(1)の活性発現に必須のファーマコファーを明らかにし、それを基に蛍光分子プローブが調製できた。この蛍光分子プローブを用いてPC12細胞内の作用部位および標的分子を検討した。 2.タアラアミデイン(3)の8種の異性体の合成が終了したので、PC12細胞とラット大脳皮質初代培養神経細胞を用いて異性体の構造活性相関を実施した。最も活性の強い異性体は全ての置換基がシス配置であることがわかった。 また、この化合物の大量合成法も確立できた。各種阻害剤を用いた薬理学的手法ならびに免疫組織学的手法により、タアラアミデインはAKT細胞内シグナル伝達系を活性化していることも明らかにできた。 3.フェニルブタノイドダイマー(8)のマウス嗅球摘出学習障害モデル対する作用を検討した結果、海馬領域の神経細胞の新生ならびに学習改善効果が認めら、神経変性動物モデルに対しても効果があることが証明できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
四種の神経栄養因子活性化合物の一つメリラクトンA(2)の全合成に問題が生じ、この化合物のみ当初の計画通り進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
メリラクトンA(2)の全合成で問題になっているPd触媒Tuji-Trost反応を再検討することで、全合成を達成する。他の3種の活性化合物の合成は完了しているので、各種培養神経細胞を用いて各化合物の作用機序を解明し、我々が見出した構造が異なる4種の神経栄養因子活性化合物の活性発現機構を比較する本研究の申請目的を達成する。
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Research Products
(9 results)