2011 Fiscal Year Annual Research Report
動的不斉認識と新光延反応を活用した効率的な分子構造変換法の開発と生物活性天然物
Project/Area Number |
22590032
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
角田 鉄人 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (00172049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加来 裕人 徳島文理大学, 薬学部, 講師 (90299339)
堀川 美津代 徳島文理大学, 薬学部, 助教 (50148772)
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Keywords | 分子認識 / デラセミ化 / 新光延試薬 / スルホニル基 / アンチマイシン / 不斉全合成 |
Research Abstract |
温和な酸性条件下に脱保護できる新しいスルホニル基としてのDios,Dimps基を考案した.そして,Dios,Dimps基を酸クロリドとして供給する方法を確立できた.これらはアミンと効率よく反応し,さらに新光延試薬CMMP,CMBPを用いたアルキル化にも成功した.最後にスルホニル基を除去する条件も確立できた. 並行して取り組んでいる課題として,不斉分子認識を基盤とした包接錯体化により,熱力学的支配のもとにラセミのα-一置換環状ケトン類を光学活性体に変換してしまう方法(デラセミ化法)の一般性を広く示すために,様々なラセミ体のカルボニル化合物をデラセミ化条件にふし,光学活性体に変換した.本年度は鎖状ケトンのデラセミ化に成功している.例えばベンジル-2・ヘキサノンの場合,96%eeのS体が94%の収率で得られている.また,新規ホスト分子として,光学活性テトラフェニレン誘導体を多数合成し,それらの不斉分子認識能を評価した. このようにして確立した素反応をまとめることで,新しい炭素-窒素結合形成反応が開発できた.応募者が開発した新反応を縦横に利用し,(-)-epilachnene,antimycin A類,(+)-brefbldin Cを合成できた.antimycin A類については,分子プローブ化を目指した研究にも着手している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
antimycin A類,(+)-brefeldin Cの不斉全合成も完了し,既に論文として発表できている.また,鎖状ケトンのデラセミ化については論文作成中である.
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Strategy for Future Research Activity |
antimycin A5の合成を完了させ,活性試験、構造活性相関を調べる.さらに分子プローブ化についてもその細部をつめる.
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