2011 Fiscal Year Annual Research Report
一重項酸素発光寿命のスポット計測による微量試料の抗酸化活性評価
Project/Area Number |
22590038
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小原 敬士 愛媛大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (10284390)
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Keywords | 生体分子 / 化学物理 / 薬剤反応性 / 抗酸化 / 一重項酸素 |
Research Abstract |
植物抽出物や血清タンパクなどの天然物質の一重項酸素(^1O_2)消去速度定数を微量の試料で計測してその構造活性相関についての検討を可能とすることを目指し、近赤外発光寿命めスポット計測の技術開発に関する下記の検討を行った。 (1)7種の天然カロテノイド,アスタキサンチン,アントシアニジン,カテキン類シコニン,9種のポリフェノール等について、^1O_2消去速度定数の計測を行った。また、2種のポリフェノールの^1O_2消去速度定数のpH依存性を計測し構造活性相関を明らかした。マイクロバイエルの使用により、以前よりはるかに少ない試料量で効率よく稀少な天然成分の^1O_2消去速度定数を計測できた。反射型検出により、濁りを有する透明度の低い試料においても再現性よく高精度に計測できた。 (2)微小液滴(~50μL)中の^1O_2減衰速度の計測(ドロップオン型検出)を試みたが、検出発光量が不十分であった己励起・検出光学系のファイバーカップリングにコリメーターを加えてドローチューブで固定、光軸・光路長を微調整した結果、検出光量が大きく改善され、ファイバー計測でもローズベンガル標準溶液で通常計測の65%の^1O_2発光強度を得ることに成功した。ファイバー付加による19nsの光学遅延が生じることを除き、時間分解能く~1ns)に問題がないことも確認した。蛍光色素を標準試料に用いて改良光学系による微小液滴計測の検討を続行中である。 (3)微動精密XY駆動ステージとファイバー検出系を組み合わせた計測ユニットを製作した。蛍光紙片により反射ファイバー検出系による計測を行い、感度チェックを行った。さらに蛍光色素の高、粘性溶液を標準試料にした検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、以前よりはるかに少ない試料量で種々の植物由来成分の^1O_2消去速度定数を計測できた。また、ドロップオン計測の条件検討の中で、光学系の最適化により測定感度の大幅な改善が実現でき、今後の研究の進展の助けとなる。2次元スキャニング計測の基礎検討については、計画よりやや遅れている。本研究全体を総合して、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、当初の計画に沿った研究を推進する。現在までの成果により、計測の技術的な問題はかなりクリアされている。
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[Journal Article] Cyclo[8]isoindoles : Ring-Expanded and Annelated Porphyrinoids2011
Author(s)
T. Okujima, G. Jin, N. Matsumoto, J. Mack, S. Mori, K. Ohara, D. Kuzuhara, C. Ando, N. Ono, H. Yamada, H. Uno, N. Kobayashi
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Journal Title
Angewandte Chemie International Edition
Volume: vol.50
Pages: 5699-5703
DOI
Peer Reviewed
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