2010 Fiscal Year Annual Research Report
悪性脳腫瘍および結核治療のための新規ナノ粒子製剤の設計
Project/Area Number |
22590040
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
尾関 哲也 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (60277259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辰巳 泰我 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (10444043)
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Keywords | 粒子設計 / DDS |
Research Abstract |
悪性脳腫瘍治療のためのナノ粒子の設計に関しては、DNA修飾タンパク活性ペプチドであり、がん抑制ペプチドのp53pと細胞膜を貫通する作用を有するAntennapedia(Ant)を融合させたp53p-Antを封入したPLGAマイクロスフェア(MS)と抗がん剤のCisplatinを封入したMSを調製し温度感受性ポリマーに分散させて腫瘍内に併用投与した。p53p-AntとCisplatinとを併用することによりC6細胞に対する殺細胞効果が上昇した。これは、p53p-Ant、CisplatinはC6細胞に対してアポトーシスを誘導することが判明した。また、p53p-Ant封入MSとCisplatin封入MSを脳腫瘍モデルラットの腫瘍内に併用局所投与することにより、平均生存日数が顕著に延長することが明らかとなった。がん細胞リガンドである葉酸で修飾したシクロデキストリンと抗がん剤のドキソルビシン(DOX)との結合体ナノ超分子の合成を開始した。 結核治療のためのナノ粒子の設計に関しては、マンノース脂質誘導体を用いてPLGAナノ粒子の表面修飾を行うことにより、より特異的な肺胞マクロファージ標的化が可能であることが示唆され、このリファンピシン吸入剤では直接患部に投与できることから、低投与量で副作用を軽減できることが予測され、より合理的な肺結核治療薬剤としての応用が期待できる。また、新規抗結核候補薬として期待されるが水溶性がきわめて高く製剤化が困難なOCT313のナノ粒子化検討を開始した。ダブルエマルション法によりS/O/W型のミセル様ナノ粒子の設計を試みている。
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