2011 Fiscal Year Annual Research Report
白血病や脳神経疾患の病態解析及び治療に有効な新規RNAiベクターの開発
Project/Area Number |
22590043
|
Research Institution | Yokohama College of Pharmacy |
Principal Investigator |
細野 哲司 横浜薬科大学, 薬学部, 講師 (20450554)
|
Keywords | 遺伝子 / 発現制御 / 薬学 |
Research Abstract |
RNA干渉(RNAi)は遺伝子の機能解析に利用されているが、白血病細胞や神経細胞のような遺伝子導入効率が低い細胞ではRNAiの利用が困難である。 一般に、細胞内に導入されたプラスミドベクターは、細胞質を経由し、核内に到達して遺伝子を発現する。ところが、細胞質から核内への移行効率は非常に低く、導入されたプラスミドベクターの大部分は細胞質に留まる。そのため、従来遺伝子導入効率が低いとされる細胞でも、実際は相当量のベクターが細胞内に導入されると考えられる。そこで、細胞質内で直接siRNAを発現できるベクターは、遺伝子導入効率が低い細胞の機能解析に利用できるRNAiベクターと成り得る。以上のことから、本研究では細胞質内で直接siRNAを発現できるRNAiベクターを開発することを目的とする。 本年度は、昨年度組換えたプラスミドベクター(T7RNAポリメラーゼによってがん抑制遺伝子p53に対するsiRNA発現が誘導されるプラスミドベクターpT7-RNAi-p53、pT7-RNAi-p53の対照であるpT7-RNAi-L及びpT7-RNAi-LacZ)の導入したオリゴDNAの配列を確認し、期待した配列であることを確認した。次に新規RNAiベクターシステムが機能するのか培養MCF7細胞及びA549細胞を用いて検討するため、β-ガラクトシダーゼ発現プラスミドpCMVβを用いてプラスミドベクターの遺伝子導入条件の検討を行った。24ウェルプレートに細胞を播種し、SuperFect試薬(キアゲン社製)を用いてpCMVβを遺伝子導入した後、β-ガラクトシダーゼ染色を行ったが、青く染色された細胞は観察できなかった。今後、β-ガラクトシダーゼより検出感度の高いルシフェラーゼを用いた検出系を用いて、新規RNAiベクターシステムの機能を確認する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
作製したプラスミドベクターを培養細胞へ遺伝子導入するトランスフェクション条件の検討に時間を要した為。
|
Strategy for Future Research Activity |
新規RNAiベクター系の機能解析を培養細胞を用いて検討するため、ヒト乳がん細胞株MCF7又はヒト肺がん細胞株A549へpCMV-T7RNAPとpT7-RNAi-p53の両者をコトランスフェクションし、p53タンパク質の発現量の変化を測定する。 次に、前骨髄性白血病細胞HL-60又は神経細胞PC-12に対しても同様の実験を行い、p53タンパク質の発現量の変化を測定する。
|