2012 Fiscal Year Annual Research Report
白血病や脳神経疾患の病態解析及び治療に有効な新規RNAiベクターの開発
Project/Area Number |
22590043
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Research Institution | Yokohama College of Pharmacy |
Principal Investigator |
細野 哲司 横浜薬科大学, 薬学部, 講師 (20450554)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 遺伝子 / 発現抑制 / 薬学 |
Research Abstract |
RNA干渉(RNAi)は遺伝子の機能解析に利用されているが、白血病細胞や神経細胞のような遺伝子導入効率が低い細胞ではRNAiの利用が困難である。一般に、細胞内に導入されたプラスミドベクターは、細胞質を経由し、核内に到達して遺伝子を発現する。ところが、細胞質から核内への移行効率は非常に低く、導入されたプラスミドベクターの大部分は細胞質に留まる。そのため、従来遺伝子導入効率が低いとされる細胞でも、実際は相当量のベクターが細胞内に導入されると考えられる。そこで、細胞質内で直接siRNAを発現できるベクターは、遺伝子導入効率が低い細胞の機能解析に利用できるRNAiベクターと成り得る。以上のことから、本研究では細胞質内で直接siRNAを発現できるRNAiベクターを開発することを目的とする。 本年度は、新規RNAiベクターシステムが機能するのか培養A549細胞及びHeLa細胞を用いて検討した。ルシフェラーゼ発現プラスミドpGL3-Controlと共にT7RNAポリメラーゼ発現プラスミドpCMV-T7RNAP及びpT7-RNAi-Luを導入すると、ルシフェラーゼの発現は有意に抑制した。この結果から、作製したベクターシステムは機能することが明らかとなった。続いて、新規ベクターシステムが内因性遺伝子産物の発現を抑制できるか確認するため、p53タンパク質の発現抑制効果を検討した。培養HeLa細胞にpCMV-T7RNAP及びpT7-RNAi-p53を導入したところ、p53タンパク質の発現を有意に抑制することができた。 以上の結果から、本研究によって作製した新規RNAiベクターは、標的とする内因性遺伝子産物を効果的に抑制できることが明らかとなった。今後は、HL-60細胞やPC-12細胞等の培養細胞を用いて、標的遺伝子産物の抑制効果や細胞増殖抑制効果を確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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