2010 Fiscal Year Annual Research Report
配位子を有する陽電荷白金二核錯体かん活性発現機構の解明
Project/Area Number |
22590045
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
佐藤 卓史 大阪薬科大学, 大阪薬科大学薬学部, 講師 (80257899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 隼人 日本大学, 生産工学部, 助教 (10351488)
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Keywords | がん / 白金錯体 / アポトーシス |
Research Abstract |
DNAの核酸塩基との配位能を欠き、かつ陽電荷を有するにもかかわらず、アポトーシスを誘導して制がん活性を示すことを見出したピラゾール及び水酸化物イオンを架橋配位子とする新規の白金二核錯体AMPZの作用機序の解明の一環として、細胞内分布の解析を計画した。まず、細胞内分布の解析を行うためにAMPZに対する抗体作成を計画し、研究分担者の市川が-(CH_2)_nNH_2型の官能基をピラゾールに導入した。しかしながら、導入したアミノ基と白金とが反応するため、これらのピラゾール誘導体を用いてのAMPZ型の白金錯体の合成は現時点では成功していない。そのため、現在、他の構造をもつピラゾール誘導体の合成を行い、免疫原を調製する方法を検討中である。一方、本申請において購入したEttan DIGE system (GE Healthcare社)を用いて、プロテオーム解析のための二次元電気泳動の条件検討を行なった。その結果得られた電気泳動条件を用いて、細胞内タンパク質の変化を検討したところ、細胞周期停止にかかわるタンパク質の発現の上昇、細胞増殖にかかわるタンパク質のリン酸化等が作用発現に関与している可能性が見出された。現在、それらの関与をより明確にするため、ウェスタンブロット法により、関与が考えられるタンパク質の変動をより詳細に検討中である。さらに、AMPZがシスプラチンによるアポトーシス誘導のイニシエーターカスペースであるカスペース9以外のイニシエーターカスペースを介してアポトーシスを誘導していることを酵素活性の測定により明らかにした。
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