2011 Fiscal Year Annual Research Report
ハイドロタルサイトを分子レベルのカプセルとして利用した医薬品の吸湿性改善
Project/Area Number |
22590047
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
中山 尋量 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (40189080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 亜紀 神戸薬科大学, 薬学部, 助教 (80309434)
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Keywords | ハイドロタルサイト / 吸湿性 / インターカレーション |
Research Abstract |
昨年度はバルプロ酸ナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、リン酸ベタメタゾンナトリウムについて、いずれもアニオンとして硝酸イオンとの交換により層間に固定できることがわかった。また、いずれもその吸湿性を大幅に抑制できることを明らかにした。本年は、プラバスタチンナトリウム、レボホリナートカルジウムなどに関して、インターカレーション反応および得られたインターカレーション化合物の吸湿性の検討を行なった。また、反応後に硝酸ナトリウムが混在するのは応用上好ましくない。そこで、塩化物型ハイドロタルサイトをホストとして用いて同様の検討を行なった。 プラバスタチンナトリウムについては、硝酸型ハイドロタルサイトについてより多くとりこまれたが、塩化物型ハイドロタルサイトについてもほぼ交換容量までとりこまれることがわかった。また、反応条件として、温度、時間、濃度を検討したが、濃度を上げる事がもっとも効果的であることがわかった。その層間距離は、3.2nmで、bilayer構造でとりこまれていた。 一方、レボホリナートカルシウムについては、硝酸型、塩化物型いずれについても交換容量の半分程度までしか取り込まれなかった。また塩化物型ハイドロタルサイトについては温度の影響も大きいことがわかった。また、その層間距離は、1.6-1.8nmで、monolayer構造でとりこまれていた。 いずれも75%の相対湿度下では、吸湿性が改善できることがわかった。ただ、プラバスタチンナトリウムについては硝酸型、塩化物型いずれを用いた場合でも吸湿性を抑制できたが、レボホリナートカルシウムについては、硝酸型で取り込み量が少ない場合に抑制効果があらわれたが、その他の複合体ではその効果か低かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに様々な医薬品(ルプロ酸ナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、リン酸ベタメタゾンナトリウム、プラバスタチンナトリウム、レボホリナートカルシウム)について吸湿性を改善できることを明らかにできたので、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はタイプの異なる医薬品への可能性を検討することによって、様々なタイプの医薬品に適応が可能かどうかについて明らかにする必要がある。
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