2011 Fiscal Year Annual Research Report
柔らかく丈夫で明るい近赤外蛍光色素の創製と分子イメージングへの適用
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22590051
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
能田 均 福岡大学, 薬学部, 教授 (20164668)
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Keywords | 近赤外蛍光色素 / ローダミン色素 / 糖化ローダミン / イメージング |
Research Abstract |
1.包接化シアニン色素の合成 平成22年度に本色素の有用性を見出していたが、その合成が極めて困難で、収率は0.1%以下だった。そこで、本年度は合成法の条件(溶媒、反応温度、原料の組成比、触媒)の最適化を試みたが、結果的に有用な合成条件を見出すことは出来ていない。 2.糖化ローダミン色素の合成と特性評価 平成22年度に有用性を確認した糖化ローダミンについて、色素にローダミン110を用い、糖にグルコースを用いて、その合成法を検討した。その結果ローダミンの2個のアミノ基にそれぞれ1個のグルコースが付加したジグルコシル-ローダミン110が得られた。本色素は、ローダミン110より30nm程度長波長側で蛍光を発した。また、逆相TLCにおいては、ローダミン110に比べてRf値が3-5倍大きく、逆相LCにおいては保持時間が3分の1以下になった。糖化による極性の増大が、逆相系固定相への吸着を著しく低下させたものと考えられる。これは、本研究の目的であった生体との相互作用が小さな色素における必要条件と考えられる。また、ローダミン110と比較して、光退色性を含む堅牢性についても向上しており、イメージング用蛍光色素としても有用性が高いと考えられる。 3.FRET型色素ラベル化試薬の開発 デザインした試薬を効率的に合成出来ていない。極少量生成した色素についても、色素部分を2つ持つことにより、分子量が大きくなり、疎水性部分も増大することから、CDに包接しても溶解性が向上していない。リンカー部分や包接剤について再検討を要する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
包接化シアニン色素の有用性は確認したが、その合成収率が低く、実用化に向けての研究が進展できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
糖化ローダミン色素が、本研究の目的と合致する特性を有していることを見出すことができたので、本色素を基盤にラベル化、イメージングへの適用研究へと展開することによって、本研究の目的を概ね達成できると考える。
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Research Products
(19 results)