2011 Fiscal Year Annual Research Report
薬物代謝酵素CYP2C9遺伝子多型の構造-活性相関に関する研究
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22590054
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
前川 京子 国立医薬品食品衛生研究所, 医薬安全科学部, 室長 (70270626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 嘉朗 国立医薬品食品衛生研究所, 部長 (50215571)
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Keywords | 薬物代謝酵素 / 遺伝子多型 / 量子ビーム |
Research Abstract |
23年度は、X線結晶構造解析のためのCYP2C9タンパクの大量発現系、及びタンパク精製系の確立のための研究を遂行した。 タンパクの大量発現系の確立において、プラスミドは、N末を改変し、C末にHisタグを連結したヒトCYP2C9野生型の配列をTrcプロモーター下にサブクローニングしたものを用いた。日本人から見出される多型、*3(Ile359Leu)、*28(Gln214Leu)、*30(Ala477Thr)を含むCYP2C9プラスミドについて同様に構築し、シークエンス法にて配列を確認した。CYP2C9野生型プラスミドをDH5alpha、BL21、Chaperone Competent Cellp Gro7/BL21、及びRosetta2の4種の大腸菌にトランスフェクションし、CYP2C9タンパク発現量をCO差スペクトルで定量した。Rosetta2を宿主として用いた場合、1Lのカルチャーあたり314nmolのP450発現量をCO差スペクトルより確認できたが、残りの3種の大腸菌を用いた場合、発現量は低く、レアコドンが発現量に影響している可能性が示唆された。 一方、タンパク精製系の確立においては、すでに大量発現系が確立しているCYP2B4をモデルタンパクとし、Niアフィにティクロマトグラフィー、CMセファロースイオン交換クロマトグラフィーを用いた場合、高純度に精製できることを確認した。 以上の成果は、N末を改変することにより小胞体膜タンパクであるヒトCYP2C9が、大腸菌で可溶性タンパクとして発現できることを示しており、これらを材料として、X線結晶構造解析及び中性子線構造解析が可能であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CYP2C9の大量発現のための宿主大腸菌の選択に予想以上に時間がとられた。
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Strategy for Future Research Activity |
CYP2C9の結晶化スクリーニングは、連携研究者である日本原子力研究開発機構・量子ビーム応用研究部門生体分子構造機能研究グループ・研究員の安達基泰先生の指導のもとに分担して行う。また、来年度は2か月間、派遣研究者を雇用し、CYP2C9タンパクの精製の効率化を図る予定である。
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