2012 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質構築過程におけるMDGAファミリー因子群の役割
Project/Area Number |
22590055
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 融 北海道大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (10251480)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 大脳皮質 / 細胞移動 / 発生分化 / 神経細胞 / 組織構築 |
Research Abstract |
MDGA1はIgSFに属するGPIアンカー型の細胞外タンパク質である。これまでに、MDGA1が中枢神経系の特定の神経群において発現が見られること、IgドメインおよびMAMドメインを介してそれぞれ他の因子と結合すること、大脳新皮質の発生過程においては主としてII/III層を構成する神経群において選択的に発現が見られることを明らかにしている。本研究においては、MDGA1およびそのファミリー分子であるMDGA2ノックアウトマウスの作製・解析により、MDGAファミリー因子群の大脳皮質構築過程における役割を探ることを目的としている。昨年度までに、MDGA1ノックアウトマウスの作製と解析を進め、その結果、MDGA1が大脳新皮質形成時において、これを発現する一部の神経群の正常な皮質板内放射状移動に必要であることを明らかにした。さらに、この結果から、画一的に見える放射状移動も細胞種によって異なった制御がなされていることが新たに推定された。そこで、脳梁交連神経群の一部サブタイプに選択的に発現する遺伝子群をマーカーとして、皮質板内での移動に細胞種による差違が認められるか、検証を試みた。その結果、これら細胞群の皮質板内における挙動には差異が認められ、6層に存在が仮定される抑制シグナルに対する感受性の有無と強弱によって4種の類型に分類された。これらのことより、大脳新皮質構築時における皮質板内の放射状移動には多様性が存することが示唆された。また、昨年度樹立したMDGA2ノックアウトマウスの解析を進めたところ、MDGA2の欠失によりMDGA1発現細胞の皮質板内での放射状移動に遅滞が観察された。これらのことから、MDGAファミリー因子群は、大脳皮質構築過程において、これらを発現する一部の神経群において、その皮質板内の正常な放射状移動に必要とされていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] 脊髄上行性伝導路の形成機構2013
Author(s)
山本 融
Organizer
第118回日本解剖学会総会・全国学術集会
Place of Presentation
サンポートホール高松・かがわ国際会議場(香川)
Year and Date
20130328-20130330
Invited
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