2012 Fiscal Year Annual Research Report
チロシンリン酸化シグナリングによる細胞分裂制御とその破綻による細胞癌化
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22590056
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
中山 祐治 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (10280918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 直人 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (00166620)
福本 泰典 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (10447310)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 細胞分裂 / Src型チロシンキナーゼ / 癌 / 分裂期スピンドル / チロシンリン酸化 |
Research Abstract |
本年度はSrc型チロシンキナーゼが関与する細胞分裂制御に関し,Srcにより活性化されるERKの関与とスピンドル安定性における寄与について調べた。また,チロシンリン酸化シグナルの異常亢進が細胞分裂の異常を引き起すのか,癌遺伝子v-Srcの誘導発現細胞株を樹立し調べた。 (1) 分裂期におけるSrcおよびERKの細胞内局在を調べた結果,分裂期スピンドルにERKが局在すること,分裂前中期の前半の時期において,スピンドル付近にSrcが局在することを見出した。 (2) c-Src,c-Yes,Fyn ノックアウトマウス繊維芽細胞(SYF細胞)と,この細胞にc-Src遺伝子を導入した細胞で分裂期スピンドルの安定性を比較した。その結果,Srcの発現によりスピンドル安定性が増加した。また,Srcキナーゼ阻害剤およびMEK阻害剤によるERKの阻害はスピンドル安定性を低下させた。 (3) 細胞質分裂制御に関与するAurora Bキナーゼに着目し,v-Src発現細胞で細胞内局在を調べた結果,分裂後期におけるミッドゾーン局在が消失した。 (4) ヒト子宮頸癌細胞株HeLa S3細胞,マウス繊維芽細胞株NIH3T3細胞を親株としてv-Srcの誘導発現株を樹立し調べた結果,Src活性亢進により二核細胞が増加した。 (5) 内在性c-Srcの誘導発現株を樹立してしらべた結果,c-Src過剰発現により二核細胞の増加が観察された。(6) v-Src発現による細胞増殖への影響を調べた結果,HCT116細胞,HeLa S3細胞,NIH3T3細胞においてv-Src発現レベルに依存した細胞増殖阻害が観察された。 以上のことから,Src型チロシンキナーゼは細胞分裂制御に関与し,その活性異常亢進は細胞分裂異常を誘導することを明らかにした。活性が亢進しているがん細胞においても細胞分裂異常を引き起す可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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