2012 Fiscal Year Annual Research Report
がんの増殖と骨転移におけるプロスタグランジンEの役割解明と創薬展開
Project/Area Number |
22590058
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
宮浦 千里 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20138382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲田 全規 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80401454)
平田 美智子 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (40544060)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | プロスタグランジンE / がんの骨転移 / 固形腫瘍 / がん |
Research Abstract |
本研究課題では、がん細胞(乳がん・前立腺がん)を骨へ高率に転移する株として確立、ヌードマウスへ移植して、骨転移と皮下固形腫瘍形成のIn vivo解析を実施した。さらに、PGEに依存した血管新生と組織浸潤に着目したIn vitro解析も行なった。最終年度である本年度は、がん細胞の骨転移と腫瘍形成について、PGEレセプター作働薬(EP1~EP4アンタゴニスト)の創薬展開を進めた。 (1)EP1~EP4アンタゴニストを用いた転移抑制剤の創薬展開:PGEレセプターのシグナルを遮断する、EP1アンタゴニスト・EP2アンタゴニスト,・EP3アンタゴニスト・EP4アンタゴニストを用い、B16メラノーマ、マウス乳癌細胞(4T1)、ヒト乳がん細胞(MDA-MB231)、前立腺がん細胞(LNCaP)を用いた検討を行なった。その結果、培養系における増殖と浸潤活性は、EP4アンタゴニストおよびEP1アンタゴニストにより抑制され、動物実験における固形腫瘍の増殖ならびに骨転移率はEP4アンタゴニストにより選択的に抑制された。 (2)EP4アンタゴニストの作用機構の解析:上記検討で強力な有効性を示したEP4アンタゴニストについて、作用メカニズムを解析した。EP4アンタゴニストによるがん細胞の増殖抑制機構として、細胞周期関連遺伝子の制御が検出された。動物実験の固形腫瘍の増殖において、EP4アンタゴニストは血管新生を抑制することを蛍光イメージングにより立証した。In vitro解析において、EP4アンタゴニストは、宿主細胞に作用し、PGEに依存したFGFとVEGFの産生を抑制した。骨転移について、EP4アンタゴニストは、骨芽細胞へ作用し、PGEに依存した破骨細胞の分化を抑制した。これら機構により、EP4アンタゴニストが宿主PGEに依存したがん細胞の増殖・浸潤・血管新生・転移に抑制効果を発揮すると結論した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(27 results)