2012 Fiscal Year Annual Research Report
貪食におけるイノシトールリン脂質の時空間的役割―RNA干渉を併用したイメージング
Project/Area Number |
22590065
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
櫨木 薫 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 准教授 (50146007)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | イノシトールリン脂質 / マクロファージ / 貪食 / タイムラプスイメージング |
Research Abstract |
マクロファージによる異物の貪食と排除の過程においては、食胞上で様々なイノシトールリン脂質が順を追って生成、消失し食胞の成熟と消失を導く。しかし、特定のイノシトールリン脂質の合成、分解に関与しうる酵素は複数あり、いずれの合成酵素または代謝酵素が食胞成熟の過程を橋渡ししていくのかは未解明である。イノシトールリン脂質関連酵素は早期胚性致死故にノックアウトできない分子が多いことが、この過程に関与する分子の同定を困難にしている。そこで我々はRNA干渉で標的となるイノシトールリン脂質合成、代謝酵素をノックダウンした細胞を作成し、これらの細胞に種々のイノシトールリン脂質と特異的に結合する蛍光プローブを導入して貪食の過程を生細胞タイムラプスイメージングで解析することを企画した。本研究において作成した酵素欠損細胞は以下のとおりである。SHIP1, SHIP2, Inpp5e, Skip, Synaptojanin 2, PTEN, MTM1, MTMR2, Vps34, Vps15, PI3KCIIa, PIKfyve, Vac14, Sac1, Sac3, Inpp4a。クラスI型3位リン酸化酵素欠損細胞はそれ以前に作成済みである。これらの細胞を用いてマクロファージの貪食におけるそれぞれの酵素の役割を検討した。新たに明らかになったことは、i) 食胞上のPI3PはMTMファミリーよりはむしりPTENによって脱リン酸化されている。ii) しかしPI3Pの消失は、PIへの脱リン酸化よりはPI(3,5)P2へのリン酸化によるものの寄与が大きい。iii) 食胞上のPI3P生成は圧倒的にVps34に依存しており、PI(3,4,5)P3からの脱リン酸化の寄与は小さい。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(6 results)