2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期チェックポイントで機能する薬物代謝酵素発現制御因子とその制御機構の解明
Project/Area Number |
22590068
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
菅谷 純子 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (30098131)
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Keywords | 細胞周期 / 細胞周期制御因子 / 肝薬物代謝酵素 / 核内受容体 / 転写調節 / サイクリン依存性キナーゼ / シグナル伝達 / CDK2 |
Research Abstract |
HepG2細胞、SW480細胞などのがん細胞を用いて、細胞分化・増殖時の細胞周期制御メカニズムの解析を進める過程で、サイクリン依存性キナーゼcdkの種々の阻害剤の影響を解析することにより、cdk2阻害剤roscovitineが強力な薬物代謝酵素誘導作用を有していることを見いだした。Cdk2 siRNAをトランスフェクトし、ノックダウンした肝がん細胞HepG2細胞や大腸がん細胞SW480細胞ではCYP2B6,UGT1A1などの薬物代謝酵素発現量が増大し、S期にcdk2がCYP2B6、UGT1A1などの薬物代謝酵素の転写を負に制御していること、細胞周期チェックポイントG2/M期にCYP2B6,UGT1A1などの薬物代謝酵素の発現が始まり、G1期まで薬物代謝酵素の発現が認められることを明らかにすることが出来た。CYP2B6やUGT1A1遺伝子の転写調節で中心的役割を演じているのは核内受容体CARであるが、CARの発現亢進はG1期のcdk4の活性化後であり、CARがこれら薬物代謝酵素の転写を調節しているとすれば標的遺伝子の発現が先に起こり時間のずれの説明がつかない。本研究では、G2/M期にCYP2B6、UGT1A1などの薬物代謝酵素の発現を調節する転写因子が別にあると想定し、M期初期、終期に作用する種々の細胞周期調節因子の発現プラスミドDNAを作製し、核内受容体の発現に及ぼす作用を解析し、薬物代謝酵素発現制御機構の解明を進めている。
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Research Products
(13 results)