2010 Fiscal Year Annual Research Report
ATP非競合的作用機序を持つチロシンキナーゼ阻害ペプチドの研究
Project/Area Number |
22590076
|
Research Institution | Himeji Dokkyo University |
Principal Investigator |
黒田 義弘 姫路獨協大学, 薬学部, 教授 (90093236)
|
Keywords | ATP非競合的作用機序 / チロシンキナーゼ / 阻害ペプチド / 細胞膜透過性 / 細胞増殖 / 細胞毒性 / カスパーゼ3活性 / EGFR |
Research Abstract |
1 【試料調製とペプチドの細胞膜透過性】 精製した受容体を用いたEGFR自己リン酸化阻害活性の評価においてATP競合的阻害作用が示唆されたペプチド(Ac-DYQQD-NH_2, Ac-QNAQYLR-NH_2)及びATP非競合的阻害作用が示唆されたペプチド(Ac-NYQQN-NH_2,Ac-ENAEYLR-NH_2)について、細胞膜透過性を高めるためにTatペプチド(YGRKKRRQRRR)(HIV1-Tat(47-57))をN端にacp(epsilon aminocaproic acid)を介して結合したペプチド、及びさらにN端に蛍光色素FITC(Fluorescein isothiocyanate)を結合したペプチドを準備した。FITCを結合したオリゴペプチドについて、共焦点レーザースキャン顕微鏡で細胞を観察した結果4種類のペプチド全てエンドサイトーシスで細胞内に入りエンドソームを形成していることが分かった。 2 【オリゴペプチドによるA549細胞に対する細胞増殖、細胞毒性およびカスパーゼ3活性への影響】 (1) [細胞増殖に関して]血清存在下および非存在下におけるオリゴペプチドの細胞増殖への効果をCellTiter96 Aqueous One Solution Cell Proliferation Assay(Promega)により検討した結果、Tat-acp-ENAEYLRが最も細胞増殖を抑制した。 (2) [細胞毒性に関して]血清存在下および非存在下におけるオリゴペプチドによる細胞毒性をLDH-Cytotoxic Test(Wako)を用いてLDH-細胞毒性テストを行った結果、Tat-acp-ENAEYLRが最も強い細胞毒性を示した。 (3) [カスパーゼ-3活性に関して]オリゴペプチドによるカスパーゼー3活性への影響をCaspase-3 DEVD-R110 Fluorometric and Colorimetric Assay Kit(Biotium, Inc.)を用いて検討することにより、A549細胞のアポトーシスへの影響を調べた。Tat-acp-DYQQD及びTat-acp-NYQQNがアポトーシスを誘導する作用が強いことが分かった。 3 【オリゴペプチドによるEGFRの自己リン酸化に対する影響をウェスタンブロットで検討】 4種類のTat結合オリゴペプチドにEGFRのリン酸化抑制作用があることが分かった。今後詳細な検討が必要である。
|
Research Products
(1 results)