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2011 Fiscal Year Annual Research Report

ATP非競合的作用機序を持つチロシンキナーゼ阻害ペプチドの研究

Research Project

Project/Area Number 22590076
Research InstitutionHimeji Dokkyo University

Principal Investigator

黒田 義弘  姫路獨協大学, 薬学部, 教授 (90093236)

KeywordsATP非競合的作用機序 / チロシンキナーゼ / 阻害ペプチド / 細胞膜透過性 / 細胞増殖 / 細胞毒性 / カスパーゼ3活性 / EGFR
Research Abstract

先行研究において、チロシンキナーゼ受容体であるEGFRおよびインスリン受容体の自己リン酸化部位のアミノ酸配列を含むオリゴペプチドの自己リン酸化抑制効果を調べた。その結果、ATP競合的作用機序の阻害ペプチドのみでなく、ATP非競合にチロシンキナーゼを阻害する複数の短いペプチドが確認された。そこで、これらのペプチドのがん細胞における効果の解析を試みることを計画した。
本年度はこれらのうち、昨年度設計した細胞膜透過性を付与したEGFRの自己リン酸化部位由来ペプチドについて、その作用を詳細に調べた。その結果、A549細胞において細胞増殖抑制作用が強いペプチドTat-acp-ENAEYLRは、EGFRのリン酸化のみでなく、HER2のリン酸化も抑制することが新たに明らかになった。このことは、Tat-acp-ENAEYLRがEGFRのリン酸化部位Y1173周辺の配列のみでなく、HER2のリン酸化部位Y1248周辺のENPEYLG部位とアミノ酸配列の相同性が高いことに起因すると推察される。A549細胞において、Tat-acp-ENAEYLRはEGFRのホモダイマーのみでなく、EGFRとHER2のヘテロダイマーのシグナルも阻害しうると考えられる。
HER2はEGFRのファミリーに属しHER2タンパク質の過剰発現は乳癌の病態とかかわることが知られている。従って次に我々はヒト乳がん細胞であるMCF-7細胞において、EGFRの自己リン酸化部位由来の複数のペプチドの作用を調べた。A549ヒト肺腺がん細胞のみでなく、MCF-7ヒト乳がん細胞においても濃度依存的にEGFRの自己リン酸化は抑制され、さらにTat-acp-ENAEYLRはHER2の自己リン酸化を抑制することを確認した。以上の結果は、EGFRの自己リン酸化部位由来ペプチドは、がん細胞においてチロシンキナーゼ阻害剤として腫瘍抑制効果が期待できることを示唆している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ATP非競合の作用機序をもつオリゴペプチドについて、がん細胞に対する腫瘍抑制効果が期待できることを明らかにすることができた。しかしながらそのチロシンキナーゼ選択性については、まだ詳細な検討をするに至っていない。

Strategy for Future Research Activity

今後、IGF-1Rの自己リン酸化部位のアミノ酸配列を含むオリゴペプチドについて、その抗腫瘍効果を明らかにする。そのために細胞膜透過性を付与したオリゴペプチドを設計し、IGF-1Rの高発現が知られている乳がん細胞において、その細胞増殖、アポトーシスへの影響を調べる。また、より効果の高い、特異性の高いペプチドを見出すためにチロシンキナーゼ選択性も評価する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] EGFRの自己リン酸化部位由来ペプチドのA549ヒト肺腺がん細胞における効果2011

    • Author(s)
      黒田義弘
    • Organizer
      第84回日本生化学会大会
    • Place of Presentation
      国立京都国際会館(京都)
    • Year and Date
      2011-09-23

URL: 

Published: 2013-06-26  

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