2011 Fiscal Year Annual Research Report
休止期の毛包に高発現する細胞増殖因子は毛成長をどのように制御するか?
Project/Area Number |
22590078
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
今村 亨 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主幹研究員 (80356518)
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Keywords | 毛成長周期 / 休止期 / 繊維芽細胞増殖因子 / FGF18 / 脱毛症 / 形態形成 |
Research Abstract |
研究実施者らは、マウスの休止期毛包において高発現することを見出した細胞増殖因子FGF18が、周期的な毛成長とどのように関わるかを明らかにするため、本研究を行っている。本研究では、(1)皮膚特異的にFgf18遺伝子をノックアウトしたマウスをCre-loxP法により作成してその表現型など生物現象を解析すること、(2)毛包構成細胞の増殖分化とin vitro毛包形成へのFGF18の影響を解析すること、(3)脱毛症とFGF18の関連を解析すること、を目的としている。 平成23年度は、以下の研究を行った。 (1)として、平成22年度までに作製した皮膚特異的Fgf18遺伝子欠損マウス同士を交配し、多数個体の遺伝子型からホモノックアウト体を選択し、継代交配を重ねた。並行して、マウスの日齢と毛成長周期の各相-成長期、退行期、休止期-の関係について詳細な解析を行った。その結果、野生型マウスでは8週間ほど持続する毛成長周期の休止期が、ホモFgf18欠損マウスでは1週間ほどに劇的に短縮することを見出した。そして、この効果と、背部毛成長周期の頭尾軸での時間差とから、加齢した個体においては、顕著な縞状に移動する発毛パターンが出現することを発見した。これらの結果は、Fgf18がマウス背部毛包の休止期を維持する決定的に重要な因子であることを明確に示す。これらの知見を論文にまとめて皮膚科領域で最も評価の高い国際専門誌Journal of Investigative Dermatology誌に投稿し、採択された。 (2)として、in vitroで毛包構成細胞の自己集合を経た毛包自己形成系において、FGF18の有する毛包形成への影響を解析した。 (3)として、FGF18関連分子を臨床応用するための研究基盤を確立するため、ヒト由来試料倫理委員会に承認された研究計画に従って、大学病院で採取された脱毛症患者由来の頭皮試料の解析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ノックアウトマウスの作成、その表現型の解析を実施し、論文発表に至っている。その他の項目についても、計画通り、順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroの実験系を確立し、細胞レベルでの詳細な解析を実施する計画である。また、脱毛症患者の検体を用いた解析も開始したところである。
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Research Products
(1 results)