2012 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロラチリズムモデルラットにおける酸化ストレス運動神経細胞死の毒性機構
Project/Area Number |
22590088
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
草間 國子 日本大学, 薬学部, 教授 (10130436)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 運動神経疾患 / ニューロラチリズム / カルシウムイオン / 酸化ストレス / TRPチャネル / ヘムオキシゲナーゼ1 / 血管 / 脊髄 |
Research Abstract |
錐体路の上位および下位運動神経の障害で,食糧問題とも関連が深いニューロラチリズム(NL)の発症メカニズムの解明を酸化ストレスの役割を中心に行った.NLの原因神経毒β-ODAPを脳脊髄関門が未完成な時期に連続末梢投与する事で後肢にのみ対麻痺をもつラットの疾患モデルが得られ,この際脊髄下部実質内の出血を必ず伴う.血管と神経障害の関連性について組織学的に検討した.患部血管ではVEGF受容体1,2の染色性が低下し,血管内皮と周囲のアポトーシス,運動神経の突起の減少,患部組織の炎症性サイトカインの発現上昇とリンパ球の浸潤が顕著であった.さらに責任部位のheme oxygenase-1(HO-1)mRNAとタンパク質が約10倍上昇していた.HO-1上昇を抑えるZn-プロトポルフィリンIXの前投与はβ-ODAPによる麻痺個体発現を有意に低下させ,HO-1の発現抑制と運動神経保護の間に強い相関がみられた(BBRC 428(2012)160-166). 株化運動神経NSC34において,グルタチオン低下を起こす条件下β-ODAPの毒性が高まる(既報).この時に膜電位非依存性で酸化ストレス応答性カチオンチャネルtransient receptor potential channel (TRP)M2およびM7のmRNAならびにタンパク質の上昇が認められた.β-ODAPによる神経細胞死のメカニズムとして,酸化ストレスが重要な上流因子であり,活性酸素種(ROS)の発生に伴ってTRPM2,7が誘導されることも確認されたので,これがCaイオンに対する高いコンダクタンス維持につながり,しかもROSにより開口状態が維持されるという正のフィードバック機構が働く仕組みがβ-ODAPによる運動神経細胞死に関わると推定された.今後はβ-ODAPの作用点AMPA型グルタミン酸受容体とROS発生のリンク機構を解明したい.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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