2012 Fiscal Year Annual Research Report
全般てんかんにおけるSUMO化修飾を介したタンパク質安定化機構の役割に関する研究
Project/Area Number |
22590095
|
Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
渡邊 正知 徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (30306203)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 康一 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (30291149)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 全般てんかん / 一酸化窒素 / SUMO / ペンチレンテトラゾール / 神経型一酸化窒素合成酵素 |
Research Abstract |
ペンチレンテトラゾール(PTZ)誘発全般てんかんモデルでは、一酸化窒素(NO)の過剰発生が痙攣発作誘発・獲得の一因となると考えられている。本研究では、過剰なNO発生機構およびそれに伴うタンパク質安定化(機能)異常を全般てんかん発症のメカニズムとして位置付け、それらの役割を解明することを目的とする。今年度は以下を明らかにした。 ① 神経型NO合成酵素(nNOS)活性化に伴って発生する過剰なNOは、全般性強直間代発作(GTCS)を惹起する。一方、nNOS遺伝子欠損マウスにおいてもPTZ投与によりGTCSが惹起される。この差異を検討したところ、基底レベルよりもはるかに低レベルのNOがGTCSを抑制的に制御していることが明らかとなった。我々は、NOが発生濃度依存的にPTZ誘発GTCSを相反的に制御していることを見出した。NO発生量の制御が新たな抗てんかん薬の標的として期待される。 ② 全般てんかん発症におけるNOを介したSUMO化修飾機構およびタンパク質安定化の役割を明らかにするために、①で得られた知見をもとに、SUMO化修飾タンパク質レベルおよびHSPsの発現量解析を行った。痙攣発作誘発時と痙攣発作獲得時には、それぞれ異なる脳部位特異的な発現パターンが認められた。現在、NOとの直接的な関与を検討中である。 ③ 全般てんかんにおける新たな脳機能異常の指標確立を目的とし、血液脳関門(BBB)との関連性を検討した。PTZ誘発GTCS時には、BBBの機能不全が認められた。さらにBBB不全は、痙攣を惹起する過剰なNOに依存することが明らかとなった。また、痙攣時の酸化ストレスを起因としたBBBの機能不全と痙攣の増悪化が示唆された。全般てんかんにおけるBBB機能不全は、酸化ストレスの影響を受けやすいSUMO化修飾機構およびタンパク質安定性の役割を検討する上で、新たな指標となることが期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|