2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規TEMPO誘導体をMRI造影剤とするオルガネラ酸化ストレスイメージング
Project/Area Number |
22590103
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中川 秀彦 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (80281674)
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Keywords | 薬学 / 有機化学 / ストレス / 分析科学 / 細胞・組織 / 活性酸素種 / 酸化還元 |
Research Abstract |
細胞核用スピンプローブの開発:これまでに開発した脂質膜用およびミトコンドリア用スピンプローブのin vitroおよび細胞系でのESRシグナル観測と細胞内分布特性、および緩衝液への溶解性に関する知見をもとに、細胞核選択的酸化ストレスプローブとして、Hoechst構造をDNA結合部位且つ蛍光性部位として持つ化合物1、Distamycin構造をDNA結合部位としてFluorescein構造を蛍光性部位として持つ化合物2、Hoechst構造をDNA結合部位としてFluorescein構造を蛍光性部位として持つ化合物4をそれぞれ合成した。化合物1については、良好な細胞核分布を示したが、ESRスペクトルより、複雑なラジカル構造を有する可能性が示唆されたため、更なる検討を中断した。化合物2は、緩衝液への分散に技術を要することが判明し、また細胞内分布についても細胞核への移行割合についてばらつきがみられることが判明した。化合物4は、緩衝液への分散方法に技術を要するものの、良好な細胞核への分布を示し、ESRスペクトルもニトロキシドラジカルに基づく期待されたスペクトルを示した。また、これらの化合物を用いて細胞系で細胞核の酸化ストレス計測を行い、細胞核の酸化ストレスが、脂質膜およびミトコンドリアと大きく異なることを発見した。 上記の化合物開発に時間を費やしたため、当初予定していたMRIを用いた予備的検討を行う段階には到達しなかった。
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Research Products
(3 results)