2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規TEMPO誘導体をMRI造影剤とするオルガネラ酸化ストレスイメージング
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22590103
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中川 秀彦 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (80281674)
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Keywords | 薬学 / 有機化学 / ストレス / 分析科学 / 細胞・組織 / 活性酸素種 / 酸化還元 |
Research Abstract |
本研究計画では、オルガネラ特異的酸化ストレスプローブの開発とそれを用いたin vivo酸化ストレスイメージング手法の開発を行うことを目指している。 昨年度合成した、細胞核選択的酸化ストレスプローブ化合物を更に改良し、DNA結合によって蛍光変化がより大きくなる分子の探索を行った。蛍光タグ官能基の変更、および蛍光タグ部とベンツイミダゾール部の分子内位置関係の変更について検討したところ、酸化ストレスセンサー部であるラジカル構造を蛍光性官能基部であるベンツイミダゾールの近傍に結合した場合に蛍光変化への効果が高くなる傾向が認められ、またこの位置に酸化ストレスセンサー部構造を2つ導入した化合物がこれまででもっともよい蛍光変化を示した。蛍光変化は、in vitroで最大5倍程度であったが、生体応用を考えると、さらに蛍光変化の大きい化合物の開発も検討する必要があると思われた。 実験動物(マウス)を用いてESRによるIn vivoイメージング計測を行った。マウスにESRプローブ化合物を投与し、ESRイメージング装置(借用)により、3次元画像取得を行った。その結果、ESRプローブ化合物がマウス頭部に分布した状態を観察することに成功し、本ESRプローブ化合物がin vivo ESRプローブとして機能することが判明した。In vivoでラジカルの状態を観測できたことから、ラジカルによるMRI観測緩和時間への効果が期待できることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MRI測定条件検討に手間取っているものの、蛍光/ESRイメージング等、マルチモーダルな測定系に応用可能であることが判明し、研究が進展しているから。
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Strategy for Future Research Activity |
プローブ化合物がESRに加えて蛍光でも酸化ストレス変化を計測可能であることが判明し、マルチモーダルなプローブとして機能することが分かったため、その利点を生かして、ESRイメージング/蛍光イメージング/MRIの3モードについて性能を検討していく方針とする。できるだけ多くのモードで有用なプローブとなるよう改良を行う。
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Research Products
(5 results)