2011 Fiscal Year Annual Research Report
肺炎球菌莢膜糖鎖ワクチンに対する免疫記憶成立のメカニズム解析
Project/Area Number |
22590115
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
築地 信 星薬科大学, 薬学部, 准教授 (90302611)
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Keywords | 免疫記憶 / ワクチン / 記憶B細胞 / 肺炎球菌 / 莢膜糖鎖 |
Research Abstract |
肺炎球菌莢膜糖鎖ワクチン(PneumoVax23)の投与を受けた被験者においては、IgM陽性記憶B細胞集団中に、投与された糖鎖を特異的に認識する抗体を産生するB細胞クローンが誘導され、その抗体が細菌への免疫応答に重要な役割を担うことが推測されている。そこで、マウスへの糖鎖ワクチン投与によって(1)免疫記憶成立が起こっているか?(2)誘導される抗体が肺炎球菌の感染予防として機能しうる抗体であるか?の疑問点の解明を目的として本研究を計画した。 <抗Pneumococcal polysaccharides(PPS)抗体のBCR遺伝子を単独産生する遺伝子改変マウスの作製> これまでにPPSを腹腔内投与後、3日目の脾臓からハイブリドーマ法にて特異的抗体産生ハイブリドーマ4クローンを取得している。in vivoでのPPS特異的B細胞の分化成熟の解析のために、これら抗PPS抗体のBCR遺伝子を単独産生する遺伝子改変マウスの作製を遂行した。昨年度までに、軽鎖kappa(Vkgj38c-Jk1)トランスジェニックマウスを作製し繁殖中である。今年度は、2種類の重鎖(Vh2-9-1DPS2.x-Jh1)、(Vh10.2b-DEL16.2-Jh2)をJh遺伝子座にノックインするためのターゲティングベクターを用いて、C57BL/6由来のES細胞を培養し、組換え体を取得した。胚盤胞インジェクションを行い、キメラマウスを作製したが、これまでに生殖系列移行を起こした個体は確認できなかった。現在、培養条件などの検討を行っている。新規ES細胞の購入、再取得を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、重鎖遺伝子ノックインマウスの作製に集中し実験を遂行した。組換え体ES細胞の取得およびキメラマウスの作製には成功したが、生殖系列移行個体が得られなかった。そのため、進行状況については当初の計画からやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
ES細胞を新たに購入し直し、ターゲッティングベクターについても、ランダムインテグレーション選択遺伝子をチミジンキナーゼからジフテリアトキシンに変更し、組換え体取得を再度行う予定である。
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Research Products
(1 results)