2012 Fiscal Year Annual Research Report
正および負の環境要因が情動系およびその発達に与える影響の解明
Project/Area Number |
22590118
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
白崎 哲哉 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 准教授 (30264047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
副田 二三夫 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (10336216)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 神経発達 / 生後早期ストレス / 情動機能障害 / 自然環境音 / 疾病予防 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、白色雑音刺激と母仔隔離の影響および自然環境音の効果を検討した。まず、生後早期の白色雑音刺激が青斑核(LC)のグルタミン酸(Glu)誘発電流に与える影響ついて再検討したところ、電流密度が有意に減少し、Glu誘発電流/GABA誘発電流比も有意に減少していた。また、LCのノルアドレナリン、GluおよびGABA誘発電流と記憶学習に関与する海馬CA1の錐体細胞および非錐体細胞のアデノシン(Ado)誘発電流に対する母仔隔離の影響も検討した。その結果、CA1錐体細胞でAdo誘発電流の平均電流密度が3倍に増大したが、バラツキが大きく有意差はなかった。今後例数を増やして確認する必要がある。一方、その他の電流については、母仔隔離で大きな影響を受けなかった。海馬CA1のGABAB受容体発現量への影響は、現在解析中である。 行動試験では、昨年度、白色雑音刺激が生後1ヶ月齢でホールボード試験に影響することを見出した。そこで、生後12ヶ月齢でその影響を検討したところ、コントロールとの間に有意な差はないようである。母仔隔離の影響も同様である。一方、母仔隔離された仔ラットは成長後も気性が荒いように感じていたので、居住者-侵入者試験を行った。その結果、生後1ヶ月齢においてコントロール群と比べ攻撃性が増加している傾向を示している。 さらに、自然環境音の予防効果について検討を追加したところ、昨年度観察されていた母仔隔離による腹側被蓋ドパミン(DA)ニューロンのDAおよびGlu誘発電流密度の減少が観察されなかった。さらに、DAに応答するニューロンの割合の減少も見られなった。 以上、生後の生育環境が脳機能の発達に及ぼす影響について障害性および保護性の両面から検討し、ニューロンおよび行動のレベルでその一端を解明できた。自然環境音の予防効果が腹側被蓋のDAニューロンでも確認できたことは意義が大きい。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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