2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規デキサメタゾン含有口腔内溶解フィルム製剤の制吐薬としての臨床評価に関する研究
Project/Area Number |
22590134
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
伊藤 善規 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50159927)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | デキサメタゾン / 抗がん剤 / 制吐薬 / 口腔内速溶解フィルム / クロスオーバー試験 / 乳癌患者 |
Research Abstract |
【目的】岐阜大学病院外来がん化学療法室にてアントラサイクリンとシクロホスファミドを含む抗がん剤が投与される乳癌患者を対象とし、デキサメタゾン(DEX)4 mgを含む口腔内速溶解フィルムの制吐効果、安全性および服用感について、既存のデキサメタゾン錠(1錠中に0.5mg含有)と比較した。【方法】30名の患者を、抗がん剤治療初回コース時に錠剤投与群とフィルム投与群に無作為抽出し、クロスオーバー試験とした。有効性は、抗がん剤投与2ー5日目における悪心・嘔吐完全抑制率をエンドポイントとした。服用感は、味、服用量、飲みやすさについてアンケートにより調査した。フィルム製剤の含量および均一性試験は岐阜大学病院薬剤部にて実施した。【結果】フィルム製剤の含量は均一であり(DEX含量:3.92±0.10 mg、平均値±SD)、許容値(AV)=6.41であり、日本薬局方での基準値(<15)以内であった。制吐効果は、遅発期(2ー5日目)における完全制吐率(悪心・嘔吐なし)は錠剤群で40%、フィルム群で43.3%であり、両群間で差がなかった。また、急性期における制吐率も両群間で差がなかった(66.7% vs 70%)。その他の副作用発現頻度は両群間で差がなかった。服用感については、服用量および服用しやすさがフィルム群で有意に高いスコアであった。また、厚さ、溶解性、大きさも高いスコア(良好)であった。【考察】新規に作製したDEX含有口腔内速溶解フィルムは服用しやすく、錠剤よりも服用感が優れていた。また、制吐効果および副作用発現率については両群間で差がなかった。今回の試験では、錠剤投与群の場合、服薬遵守率は100%であったが、実臨床では服用錠数が多いために自己判断で服薬せず、制吐コントロール不良を来すことがある。フィルム製剤を用いれば高い服薬遵守率が得られ、臨床での有用性が高いと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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